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不屈のリーダー李登輝が迷える日本の若者に送る「10の箴言」
【李登輝】迷える日本の若者に送る「十の箴言」
メルマガ「台湾の声」にて紹介された「サピオ」2010年1月27日号からの記事を引用
【箴言一】逆境は最高の修行の場
【箴言二】大器晩成を目指せ
【箴言三】安易にカードを切るな
【箴言四】金で解決できることはすべて小事
【箴言五】小さく群れるな
【箴言六】人事の要諦・奥さんを観察せよ
【箴言七】恩讐を越え、大事を成し遂げろ
【箴言八】敵を使える知恵と器量を持て
【箴言九】トラブルメーカーに成ることも必要
【箴言十】信仰心を持つことはリーダーの最重要条件

【箴言一】逆境は最高の修行の場


 戦前に日本のエリート教育を受けた李登輝氏は終戦後、他の台湾の知識人と同様、「日本の教育に汚染された人間」として蒋介石国民党政権に扱き下ろされ、苦悶する日々を送ることとなった。

 更に1947年での知識人を中心ターゲットとした大虐殺、その後20年間続いた知識人狩りなどの恐怖政治下では李登輝氏は弾圧される側にいた。だが彼はこの暗黒時代では、弾圧を逃れながら読書と自己修練に励んでいた。

 後に彼が書いた経済論文は時の権力者、蒋経国の目に止まり、いきなり無任所国務大臣に抜擢されるのだが、「権力的地位に対して、私は一貫して平常心を保持し、大喜びすることは決してなかった」と自身は振り返る。実は台湾人の敵である独裁政権に身を置くことで矛盾と苦悩の毎日を過ごすことになったのだ。だがこうした心の葛藤が彼を偉大な政治家へと成長させたのだ。