熊本県益城町で2月25日に郷土の偉人「志賀哲太郎先生顕彰のつどい」
むかし、益城町ん田原かる こぎゃん偉か人が出とらした!
台湾で「大甲の聖人」と呼ばれて今も語り継がれ、敬愛されている伝説の教育者─志賀哲太郎その
人は、わが熊本が誇るべき、まことに、まことに偉大な人物だった。
* * *
志賀哲太郎(しが・てつたろう)先生は、日清戦争後、我が国に割譲された台湾で、公学校(台
湾人の小学校)の教師となって多くの人材を育て、また、大甲(たいこう)の街(現台湾台中市大
甲区)の人々にも大きな影響を与えました。死後90余年を経た今日においても、台湾では「大甲の
聖人」として多くの人々に敬愛されています。
先生は、慶応元年(1865)肥後国上益城郡田原村(現上益城郡益城町田原)で誕生。その2年前
の文久3年(1863)に、2kmほど離れた杉堂村(現益城町杉堂)の矢嶋家で徳富蘇峰が生まれています。
この二人の恵まれた才能は、やがて、それぞれの色合いの大輪の花を咲かせることになります。
蘇峰は、ジャーナリストとして終生華々しい道を歩みました。一方、志賀先生も、青年期に九州日
日新聞(熊本日日新聞の前身)の記者として活躍する傍ら、紫溟学会会員、国権党員として、佐々
友房や古荘嘉門、安達謙蔵ら(彼らは後に国会議員となり、また、大臣や県知事となって活躍しま
す)と政治運動を展開するなど、時代の先端を走るような活動をしましたが、やがて、政界を離れ
て教育の道に志し、一介の代用教員として異郷の地の子供 達の教育に半生を捧げました。
志賀先生は異例の教育的成果を残しましたが、先生のすばらしさは、何よりその人間性の品格の
高さにあります。知れば知るほど、その崇高な生き方は、私達にも深い感銘を与え、同郷人として
の誇りを抱かせてくれます。
先生の教育姿勢は慈愛に満ち、誰に対しても思いやりが深く、少しも人々を差別するところがな
かったと言われています。当時としてはとても考えられなかったような、異郷の地における徹底し
た平等観と人間愛……時代を先取りしたような普遍的な博愛精神が育まれた根源は、いったいどこ
にあったのでしょうか。
知れば知るほど人を引き付けてやまない志賀哲太郎の気高さ、それでいて人間味あふれる温かい
心情、自らに厳しく他者にやさしいおくゆかしさ……今なお多くの謎に包まれた聖人の足跡をこの
つどいで辿って頂ければ幸いです。
平成30年(2018年)1月吉日
益城町 益城町教育委員会 志賀哲太郎顕彰会
*当日は、台中市から劉來旺・大甲区区長をはじめ関係者約10名もお見えになる予定です。
記
◆志賀哲太郎先生顕彰のつどい
・日 時:平成30年2月25日(日)13時~15時
・場 所:益城町文化会館ホール
益城町木山381-1 TEL:096-286-1511
【交通】自家用車:市電健軍終点より東へ15分(駐車場あり)
産交バス:木山行き「木山上町」バス停下車徒歩1分
・講 演:「台湾に残る日本のこころ─志賀哲太郎と台湾』(仮題)
戎義俊氏(台北駐福岡経済文化弁事処処長・総領事)
・講 談:「ああ、慕わしき志賀哲太郎先生』(仮題)
寿咲亜似氏(肥後の歴史物語と民話の会「語り座」代表)
・参加費:無料
*日台交流会(15時半から17時まで文化会館ロビーで開催)
参加をご希望の方は、2月20日までに下記事務局へお申し込みください。
・お問合せ・お申し込み:志賀哲太郎顕彰会事務局
植山(電話)090-1087-6213 E-mail:ueyama1@seagreen.ocn.ne.jp
折田(電話)090-8399-4854 E-mail:olita@lep.bbiq.jp
・共 催:益城町 益城町教育委員会 志賀哲太郎顕彰会
・協 賛:益城町文化協会 日台交流をすすめる会
【講師紹介】
戎義俊(えびす・よしとし)氏
1953年生。台湾輔仁大学日本語科卒業(1976年)。日本慶応義塾大学研究生修士課程在籍(1983年
─1985年)。2013年3月31日から台北駐福岡経済文化弁事処処長〈総領事〉。大の親日家・愛日家
として知られ、自ら「えびす・よしとし」と名乗っておられます。九州と台湾の絆を深める活動に
積極的に取り組まれ、昨年2月1日に熊本熊本大学で行われた平井数馬先生顕彰会では「台湾に残さ
れた日本文化」と題して講演し、参加者に深い感銘を与えました。毎年、九州各県を精力的に訪問
し、熊本にも年に50回以上足を運んでおられます。
寿咲亜似(すさき・あい)氏
肥後の歴史物語と民話の会「語り座」(2009年設立)代表・語り手。熊本弁による民話語りや文学作
品の朗読など、幅広い内容で活動しておられます。県内各地の民話と歴史話を通じて自ら郷土に対
する愛と誇りを育み、先人に学び、その成果を脚本にして多くの人々に語り伝えることを課題とし
ており、また、民話と歴史物語に生演奏を織り交ぜた公演を試み、それらの取組みは、各所で好評
を博しています。いろいろな形態で出張公演も行い、語り講座「民話塾」も開催しておられます。
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