【阿彰の台湾写真紀行】粉粿(hún-kóe :フンクエ)と粉條(hún-liâu :フンリャウ)

「台湾の声」【阿彰の台湾写真紀行】 No.4
粉粿(hún-kóe :フンクエ)と粉條(hún-liâu
:フンリャウ)

 台湾ではブニュブニュした食感の食べ物が好きな人が多いようだ。弾力があり、ちょっと歯ごたえもあるような食感を台湾ホーロー語でkhiū(キュウ)と言い、強調したい時にはkhiū-teh-teh(キュウテェテェッ)、khiū-khiū(キュウキュウ)と言ったりもする。このkhiū(キュウ)の発音をアルファベットのQで表し、中国語会話の中でも「很‬Q」と言ったり、書いたりする。そして実際、台湾にはkhiū-teh-tehなブニュブニュした食べ物が多い。

 その中の一つが「粉粿=hún-kóe
:フンクエ」だ。これは水に番薯粉(han-chî-hún:サツマイモの粉)を加え、かき混ぜたものを煮てから蒸し器で蒸した後に冷やした透明のゼリー状食材だ。クチナシの実(山梔子)を使って黄色く着色する場合も多い。黒蜜やシロップと一緒に食べたり、かき氷を加えて「粉粿冰=hún-kóe-peng:フンクエピイェン」にして食べたりする。

 また同じく番薯粉から作る食材に「粉條=hún-liâu
(tiâu):フンリャウ(ティアウ)」がある。フンリャウとフンティアウという二種類の発音があるが、フンティアウという言い方には化粧品のメイクアップスティックを表す意味もあるから注意が必要だ。この「粉條」の形状は前回紹介した「米篩目(mí-chhî-muk:ミィチィムッ=台湾客家語/
bí-thai-ba̍k:ビィタイバッ=台湾ホーロー語)」によく似ている。でも白色ではなく透明のヌードゥル状食材だ。番薯粉を水に溶いて、かき混ぜドロドロにしたものを生クリーム搾り袋などに詰めて、ヌードゥル状の状態にしながらお湯の中に押し搾り出し、茹であげた後に冷やしたものだ。
 
 「粉條」も「米篩目(米苔目)」と同じように夏には冷やした甘いシロップに入れたり、かき氷を加えて「粉條冰=hún-liâu-peng:フンリャウピイェン」にして食べたり、一般麺類のようにスープに入れたり、炒めて焼きそばのようにすることもある。またかき氷として食べる場合には上記の「粉粿」や仙草(sian-chháu:センツァウ/乾燥させた仙草の葉や茎に重曹を少し加え、煮つめてから漉し、冷やして凝固させたゼリー)、粉圓(hún-îⁿ
:フンイー/タピオカ)、杏仁豆腐、小豆などを加えて食べる人も多い。

編集部より:「阿彰の台湾写真紀行」では、台湾在住のデザイナー、『台北美味しい物語』著者である内海彰氏が撮影した写真とエッセイをお届けします。写真は末尾のリンクから取得することができます。またウェブで閲覧できるバックナンバーでは、記事とともに表示されます。


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