【警鐘】氾濫する中国人

【警鐘】氾濫する中国人

中国の軍拡目標はアジア偽装結婚に工作員―流入中国人「参政権」問題での台湾の苦悩と危機を見よ

   永山英樹

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台湾では近年、女性の地位の向上に伴い、男性が中国、インドネシア、ベトナム
などの外国人女性と結婚するケースが高まっている。そのため二〇〇三年には、
結婚したカップルのうち、国際結婚が三二%にもなっている。そして配偶者の国
別で最多だったのが中国人で、全体の六四%をも占めた。当時、「大陸新娘」(
中国人花嫁)の数は、すでに二十四万人ほどに達していた。

しかしこれによって大きな社会問題も発生した。

先ず第一に、財産目当ての結婚が多発した。戦後、国府軍によって台湾へ連れて
こられた元兵士の高齢者と結婚し、やがて相手が亡くなれば、遺産のほかに政府
支給の家を受け取り、さらには生活補助金の半分の額を引き続き受給することが
できるからだ。

そしてもう一つは偽装結婚で、これが全体の四分の一を占めていた。結婚のため
に来台して姿をくらまし、多くは売春家業などに精を出すのである。

そこで政府はこれを防ぐため、外国人配偶者には結婚から三年間は身分証(公民
権)を与えないとする規定を強化し、中国人に対してだけは八年間とした。また
中国人には結婚後も、年間の来台者数を制限するなどで厳格に臨んだ。

だが中国人配偶者にだけ厳しい規制を設けるのには他にも理由がある。それは「
安全保障」への配慮だ。

そもそも中国人は台湾で暮らしても、アイデンティティは台湾ではなく、中国に
対して持ち続けるものと見られている。つまり台湾よりも中国を愛し、そこに忠
誠心を抱くというわけだ。

増大一方の中国の脅威に直面する台湾で、このような人々にやすやすと参政権(
公民権)を与えてしまえばどうなるか。二〇〇二年、台湾で生まれた新生児中、
百人のうち四人の母親は中国人だった。このように中国を祖国とする人口が増大
し、大きな政治勢力を形成したらどうなるのかが問題となったのだ。

そこで二〇〇二年、公民権取得期限を八年から十一年に延長する修正法案が出さ
れた。もしこのままで行けば、「二〇一六年には四十一万人が身分証を取得する
ことになる」(政府関係者)と言った懸念があったからだ(後に修正案は見送ら
れる)。

そこでこれに対し、中国にアイデンティティを持つ在台中国人(外省人)の統一
派政治勢力が、「大陸新娘」を動員して反対デモを行なった。これは、その「二
〇一六年」に実施される総統選挙に向けた統一派(あるいはその背後の中国)に
よる策謀と見られた。

その後も中国人配偶者を動員した規制撤廃、差別反対を求める「人権」デモはた
びたび行われている。

その後、さまざまな制限強化が奏功して偽装結婚は減少したが、大陸委員会によ
れば、それによって「密入国が工作員の主要な入国手段となった」そうだ。つま
り偽装結婚には、スパイの入国工作の側面もあったのだ。

来台した中国人配偶者や、それが本国から呼び寄せた家族たちには、軍事基地の
近隣に居住する傾向も目立った。またそうした地域で、軍人を相手にする風俗店
に勤め、ハニートラップ工作を行う事例も現れた。

こうしたことから国民の多くは、中国人配偶者への公民権取得制限を支持した。
二〇〇四年の世論調査によると、四三%が厳格な制限を、三六%がある程度の制
限を求めた。制限反対は二〇%だった(外省人の人口比率は十数%)。ちなみに
すべての外国人配偶者に厳格な制限を求めたのは三七%であり、台湾人社会の中
国人への警戒心がいかに強いかが分かるだろう。

かくして外国人配偶者の占める割合は、三二%に達した二〇〇三年以降、年々下
降傾向が見られる。〇四年は二四%、〇五年は二〇%、〇六年は一七%、〇七年
は十八%、〇八年は一四%と言った具合だ。

そして外国人配偶者に占める中国人配偶者の割合も、二○○三年の六四%をピー
クに減少している。〇四年は三四%、〇五年は五〇%、〇六年は五八%、〇七年
は六〇%、〇八年は五六%だ。

ところが内政部(内務省)が一月十五日に発表した「国民結婚統計」によると、
〇九年の結婚件数は不景気の煽りで十一万七千件。前年比で二四・四%と大幅な
減少を見せた一方、外国人との結婚件数は二万二千件で前年より〇・九%の微増
。全体に占める割合は一八・七%(前年比一四%増)となった。そしてさらにそ
こに占める中国人との結婚件数は六〇・六六%にも及んでいる。

件数で言えば一万三千二百九十四人で、前年比の四・三%増。台湾が統治する福
建省の金門島・馬祖島地区では、結婚件数の四一%が外国人とのもので、その九
割は中国人が相手だ。

内政部によると、〇八年の段階で中国人配偶者数は、すでに二十七万四千百七十
三人にも達している。

この中国人配偶者が再び増加傾向を示す現象について台湾紙自由時報(一月十六
日)は、馬英九政権の政策(※所謂「中国傾斜」政策)の動向と符合しており、
深刻な移民危機を形成していると警鐘を鳴らすのだが、これは日本社会に対する
警鐘ともなるのではないか。

ちなみに「中国傾斜」とは、中国の影響下へと自ら参入して行くことだが、馬英
九の国民党政権と同様、日本でそれを強める民主党政権が提出しようとしている
のが外国人地方参政権付与法案だ。

その「外国人」のうち、今後最も数が急増し、そして最も日本の政治に影響力を
行使するものと見られるのが中国人なのである。

朝日新聞が一月十六、十七日に実施した全国世論調査によれば、「永住外国人に
地方選挙で投票する権利を与えること」に賛成が六〇%で、反対はわずか二九%
だった。

中国人が社会に浸透する恐ろしさを、日本人は台湾人ほどは理解していないよう
だ。これは民主党が外国人に選挙権を与えることで生じるマイナス作用について
説明を回避しているからだ。

もちろんこうした危険な法案を敢えて作り出す以上、そのようなことは口が裂け
ても触れるまい。法案実現を急ぐのは、国民間で賛否の議論が始まり、反対世論
が巻き起こるのを恐れているからだろう。

そして民主党内部では国民の油断を衝き、不法滞在者にまで国籍を付与する外国
人基本住民基本法を制定する動きも見られる。すでに千葉景子などは法相であり
ながら、そうした外国人を許容する言動を見せている。しかし中国人の不法滞在
は、日本にとっては深刻な治安・安保問題となっているはずだ。

こうした民主党政権の亡国政策を食い止めなければ、社会は中国共産党が次々と
送り込む人々の跋扈するところとなるだろう。そして台湾がすでにそうなりつつ
あるように、入り込んだ中国人たちの権利要求は止まることを知らず、それに対
して「やさしい」国民は摩擦を恐れて抵抗できず、あるいはそれに呼応するとの
亡国行為に出て、不正、犯罪、陰謀に満ちた暗黒状況に陥ることだろう。

国民の覚醒こそが急務である。


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