【警鐘】尖閣は戦争である

【警鐘】尖閣は戦争である    

連帯する日本   海原 創         

 戦争とはどちらかの国が相手国を攻めるだけでは成り立たない。相手国がこれを防御するか反撃行為に出ることではじめて成立つ(クラウゼヴィッツ)。

わが国はすでに北方領土や竹島を武力支配されているが、ロシアや韓国との間で戦争状態にならないのは我が国がこれらの領土を防御したり奪還しようとしないためである。では尖閣諸島はどうであろう。

 最近になって襲来する数百艘にも及ぶ中国漁船であるが、船員は漁民ではなく軍事訓練を受けた民兵もしくは元兵士であることから、船舶こそ漁船ではあっても漁撈などが目的ではなく、明らかな戦闘行為と考えるべきである。日本は海上保安庁の巡視船を派遣して日本の経済水域から退出せよと警告を発する。海上保安庁はあくまでも警察であるから、それらの漁民をまるで公園の芝生に立ち入った子供たちを追い払うように警告を発するだけである。中国側にとって何の脅威でもありはしないし、退去勧告に対しては常に尖閣が自国の領土であると主張して応じない。このままの状況を定着させることが中国の狙いで、これを自ら大きな戦闘に発展させる意図はないようである。戦争アレルギーの日本は自衛艦をもってこれらを排除しようとはしないないであろし、アメリカがこの程度のつばぜり合いに介入するとは考えていない。

 現在の状況を恒常化する傍ら、中国は尖閣が中国古来の領土であると世界に宣伝する。宣伝戦は昔も今も重要な戦争の手段であるが、この分野における中国人の才能はまさに驚異的である。中国では昔から喧嘩なら中年の後家さんには敵わないとよくと言われるが、中国政府の宣伝活動はまさに中年の後家のごとき鋭い舌鋒と絶対諦めない執念に満ちているのだ。漁船団と宣伝で戦わずしてじわじわと勝利をモノにする戦略である(孫子)。

 彼らと話し合いや外交で紛争解決を図ろうとするのは徒労であろう。
中国文化には元来対話の概念が欠如していて、話し合いでは常に相手に対する通告あるのみである。これに反論を試みれば「汝にその資格はない」と突っぱねる。共産党の独善と申すより悪しき中華思想であろう。民主主義とは無縁の相手であるから、日本が正義を通すには尖閣を徹底的に護り抜くしかない。すなわち戦争を覚悟することである。

 もし戦争になった場合、狡猾な中国はあくまでも日本が始めたという事実をでっち上げるであろう。中国固有の領海を通過したり漁撈したりする中国の(善良な)漁民を日本が武力で排除し死者やけが人が出たという事件を誘発することである。そして国連などで世界がこぞって中国を被害者であると認める政治工作を施すであろう。
新しい防衛大臣が生まれた日本政府が今後これにどう対処するか。

はっきり申せるのはお利口さんばかりの外務省が頼りではこの戦争はすでに負けである。中国の真の狙いは不毛な尖閣諸島の領有などではない。日本のシーレーンを遮断し、終局的には沖縄を支配することである。

これを夢で終わらせるために日本国民は戦争を恐れず尖閣を護るぞという気概を抱くことである。実はそのような気概が日本人に満ちてくることが中国にとって最も恐ろしいことである。今のように政治家はじめ国民の大半が情緒的に反戦を叫び続けている以上、中国は東シナ海支配にますます自信を深めるだけである。

 いま日本人が心しておくべきは、空虚な平和論を慎み尖閣がすでに戦争状況下にあるという現状認識に徹することである。その傍ら、台湾、フィリピン、インドネシア、ベトナムといった海洋国の仲間と連携を深め、中国、韓国、ロシア国内で少数ながらも自由を求める良識派、知日派をより多く発掘して積極的交流を計る工夫と努力を惜しまないことである。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: