【西村眞悟の時事通信】南シナ海の緊張と辺野古

【西村眞悟の時事通信】南シナ海の緊張と辺野古

                         西村眞悟

 中国共産党の重要大会である第18回中央委員会第5回総会というのが二十六日か
ら始まったその時に、
  アメリカ海軍は、南シナ海の「航行の自由作戦」(フリーダム オブ ナビゲー
ション)を実施したようだ。

  習近平主席は、九月にアメリカで「スプラットリー諸島は中国固有の領土だ」と
言い放ち、
  サイバー攻撃の加害国でありながら、被害国だと憎たらしく居直り、
  今月の十月にはイギリスで「日本軍国主義の残虐性」を強調し、
  さらに、かの大英帝国に巨額資金援助をする大中華の頭目を演出して、
  意気揚々と共産党の第五総会に臨んだ。

  そして、「航行の自由作戦」によって晒し者になった。
  何のことはない、習近平とは、
  他国の領土領海を強奪するならず者国家の頭目に過ぎないではないか、
  アメリカに舐められているではないか、と。

  アメリカは、一隻であるが、イージス艦「ラッセン」を出している。
  イージス艦は、空中、海上そして海中の複数の敵を同時に撃破できる。
  従って、中共が埋め立てている島の十二浬以内を悠々と航行する「ラッセン」の
存在感は強烈である。
  アメリカ海軍のイージス艦のROE(ルール オブ エンゲージメント、交戦規定)
は厳しいから、
  かつて、中共が、尖閣沖で漁船を海上保安庁の巡視船に衝突させたようなことは
とうていできない。
  また航空機をイージス艦の上空に飛ばすこともできない。
  要するに、東シナ海で中共が我が国に対してしてきたことは総てできない。
  この「ラッセン」の母港は我が横須賀だ。

  前の通信で、我が国の海上自衛隊も、
  南シナ海でアメリカ軍と共同行動を執っていることを願ったのだが、

  現在、我が国内は、
  マンションの杭の問題やらが連日トップニュースで、
  一億総活性化という一億で「ええじゃないか踊り」でも始めるような掛け声は聞
こえるが、
  九月まで、あれほど熱心に我が国の安全保障問題に関心を示した国会は、
  現実の安全保障「事態」に対しては、あれはウソでしたと言わんばかりに関心を
示さない。
  つまり、あいつらは、「空論」は言うが、現実の問題には「無能」なのだ。
  これが我が国の現実なら仕方がない。はやくこいつらが国会からいなくなるのが
国のためだ。

  しかし、仕方がないとだけ言っていても仕方がない。
  そこで、辺野古についてだけ言っておく。
  幸いにして辺野古は、中共の傀儡知事のお陰で「法的処理の世界」に入ってい
る。
  従って、政府は、迅速に法的手続きを済ませ、
  断固として工事を進めなければならない。
  その上で、南シナ海での事態が辺野古の必要性を如何に高めているかを国民に衆
知させねばならない。
  特に沖縄県民に周知させねばならない。
  官房長官や防衛大臣は、沖縄の街頭に立ったらどうか。
  シナの屏風を背景にして沖縄県庁であの傀儡知事と話をするのは無益だが、
  直に県民に訴えいることは大いに有益である。

  我が国政府の辺野古に関するこの断固とした姿勢が、我が国の抑止力を高め、
  南シナ海のイージス艦「ラッセン」のプレゼンスを高める。
  つまり、我が国の国際貢献に繋がることなのだ。

  さて、南シナ海は、これからどうなるのか。
  マスコミには、専門家による、米中が「落としどころ」を探っているなどの解説
がある。
  しかし、「おとしどころ」など探って見あたるのだろうか。

  習近平の背景は、
  軍は軍閥化して汚職摘発で習に怨みをもつ分子も多い、
  習の暗殺未遂が発覚している、
  共産党組織は汚職に塗れている、
  中国経済は「自壊段階」に入っている、
  民衆の貧富の格差の増大は危険水域に入っており年間二十万件の暴動が起こって
いる。
  要するに、何が起こるか分からない、
  つまり自壊段階にある共産党独裁国家を相手にして、
  「おとしどころ」などあろうか。

  ただ一つ、確実に言えることは、
  何が起こっても対処できるようにしておくこと、
  つまり、戦いに備えておくことが死活的に必要である。


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