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今回は号外として、拙著刊行のご報告をさせていただきます。
このたび、交通新聞社から『台湾鉄路と日本人』という一冊を出させてい
ただきました。表題のように台湾の鉄道の歴史と、そこに絡んだ日本人、
そして、台湾人鉄道員について書いた一冊です。サブタイトルには「線路
に刻まれた日本の軌跡」と入っております。
知っているようでなかなか知り得ない台湾の鉄道史ですが、今回は各線に
ついて、その歩みをご紹介しています。基隆(きいるん)と高雄を結ぶ縦
貫鉄道をはじめ、集集線や平渓線といった支線の歩み、製糖鉄道や森林鉄
道、台車軌道と呼ばれたトロッコなど、産業鉄道にも目を向けてみました。
第5章では台湾版鉄道唱歌とも言われる『台湾周遊唱歌』の全歌詞を解説
付きで紹介しています。これは全90章で台湾各地の風物を紹介しており、
その詳しさは本家の鉄道唱歌を上回ります。おなじみの鉄道唱歌の旋律で
歌うことも可能です。当時の地方風情に触れていただければと思います。
また、資料性にもこだわってみました。巻頭口絵に日本統治時代と現在の
路線図を入れ、巻末には7ページにおよぶ現在までの台湾鉄道史年表を付
けているほか、戦後に改称された駅名一覧も付けました。そのほか、日本
統治時代に発行された路線図や時刻表、そして40点を数える古写真も掲
載しています。
発売日は2010年2月15日。すでに全国の書店で並んでいるはずです
ので、もし、機会があれば、お手にとっていただければ幸いです。以上、
新刊のご報告でした。皆さんの旅のおともになれることを祈っております。
おつきあいいただき、ありがとうございました。
片倉佳史
『台湾鉄路と日本人―線路に刻まれた日本の軌跡』
交通新聞社新書
著者 片倉佳史
定価 840円
http://www.kotsu.co.jp/book/shinsyo/013.html
(交通新聞社・ご購入も可能です)
目次から(抜粋)
第一章 台湾鉄路の歴史―縦貫鉄道
領台以前の台湾鉄路
樺山総督が建議した三大事業
河川が集中する架橋の難所
トンネルが連続する丘陵を貫く
縦貫鉄道の建設意義 ほか
第二章 地方線区の歩み
淡水線 宜蘭線 海岸線 平渓線
集集線 潮州線 台東線
第三章 私設鉄道
製糖鉄道
台湾南部の風景にとけ込んだ製糖工場
急速に発達していった路線網
戦後、そして現代を活きる製糖鉄道
台車軌道
台車軌道(トロッコ)の存在
旅客輸送もしていた台車軌道
台車軌道の遺構を歩く
森林鉄道
阿里山鉄道
太平山鉄道 ほか
第四章 台湾鉄路こぼれ話
日本最古の蒸気機関車-9号機関車の話
台湾に生き続けるC12
開業120周年を迎える台北駅
縦貫鉄道、急行列車の旅
台湾を代表する宿泊施設-台北鉄道ホテル
台北鉄道工場の話
第五章 台湾周遊唱歌
巻末付録 台湾鉄道史年表