【産経記事】民進党、台中で10万人デモ

【産経記事】民進党、台中で10万人デモ 中台交流機関トップ会談に抗議

2009.12.21 産経新聞

 【台中=山本勲】21日から台中市で始まる台湾と中国の第4回交流機関トップ会談を翌日に控えた20日、台湾の最大野党、民主進歩(民進)党を中心とした独立派が当地で10万人規模の抗議デモを行った。蔡英文主席ら党首脳をはじめ、台湾全土から参加者が集まり、「台湾と中国はそれぞれ別の国」「馬英九(総統)は辞任せよ」などと連呼しながら市内を練り歩いた。

 デモ行進の開始に先立ち蔡英文主席が、「馬英九政権が台湾を守れないからわれわれは抗議デモをしなければならない!」などと演説した。参加者は数百メートルの隊列を形成。「10万人は下らない」(民進党)規模の大抗議となった。

 「馬英九の(中台)終極統一(路線)反対」「(中台)統一は永久にできない」「(中台は)それぞれ別の国として国交を結べ」などと書かれたプラカードが林立する中、デモ隊は市内を行進し、馬英九政権が進める対中関係改善政策に強い不満と抗議を示した。

 その後、市内の広場では午後8時過ぎまで抗議集会が行われ、呂秀蓮前副総統、蘇貞昌前行政院長ら民進党の有力者が相次いで演説して会場を盛り上げた。

 しかし、多数の負傷者を出した昨年11月の台北での第2回トップ会談とは対照的に、今回の抗議行動は整然と行われた。蔡主席ら民進党指導部が事前に理性的な行動を呼びかけたことが奏功したようだ。

 21日からのトップ会談では、中台経済関係をさらに緊密化させるための4つの協力取り決めに調印する予定。具体的には(1)農産品の検査・検疫(2)税の二重課税防止(3)(共通の工業基準作りを視野に入れた)工業品の計量・検査・認証など(4)漁船乗務員の労務-4分野の協力推進策から成る。

 さらに、中台間の自由貿易協定(FTA)に相当する経済協力枠組み協議(ECFA)の来年上半期締結を目指した「初歩的な話し合い」(台湾当局)も始める。民進党など台湾独立派はこうした経済の各種取り決めが経済統一を経て政治統一につながることを強く警戒しており、抗議活動を強めている。


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