佐藤千枝
台湾の声様
1/14 11:45台北に到着。
飛行機から降りたとたんにムワッと蒸し暑い!
飛行場から脱出し、30分ほどでホテルに到着。
さっそく各政党の選挙事務所に行きたいところだが、日本で調べても場所が解らなかった。
『党本部じゃないのか?』との意見を聞いていたので、日本でプリントアウトした地図を頼りに
まずは民進党本部に行ってみる。
善導寺駅から歩いて行ってみるが、党本部前の道路にはステージが無い!
『もしかして4年前の民進党選挙本部かな?』
と、行ってみたが、ここでもない。
しかたがない。近くの南京東路からバスで松江路に行って宋楚瑜の党本部に行ってみよう。
だが、ここにも道路にステージが見当たらない。
ここから国民党本部まで歩いていけるかな?と八徳路を目指して歩いていると途中で蔡英文候補の
選挙事務所を発見。でも建物の中にテレビを写すスクリーンがあるだけで、道路にステージが無い。
どうしても見つからなかったら後でここに来よう。
更に歩いて八徳路二段の『中華民国万歳』と書いてある建国ビール工場前まで来て八徳路三段のほうを見るが
車が通行止めになっていない。
2004年連戦の選挙事務所が作られたときは、あそこに ごっつい鉄条網で道路が通行止めになっていたが、ここじゃないのか。
もしかして今回の選挙では道路を通行止めにしてステージを作らないのだろうか?
ひとまずホテルに戻ってテレビをつけると国民党・民進党の選挙事務所前のステージに多くの支持者が集まっている映像が
映っているではないか!
その映像の端っこには《蔡英文総部》《馬英九総部》の文字が!
さっそくメモして、ついでにテレビに映ってるステージの写真を撮って台北駅の観光案内で聞くと、
民進党は板橋市の府中駅近く。(地図に印をつけてもらう)
国民党はさっきの八徳路三段とのこと。
ちょっと待て! さっき行ったけど無かったぞ。
と訴えたが、インターネットにはこの住所しかないという。
とりあえず、駅から市民大道に出てタクシーに乗り込み、観光案内で書いてもらった馬英九総部の住所とテレビの写真を見せると
解ってくれた。車は八徳路に進みさっきのビール工場前をすぎると今度は八徳路三段が交通止めをしているではないか!
やっぱりここだったのか!
でも8年前と違い、鉄条網を使っていない。
つまり、8年前は自分達(国民党とその支持者)がその前の総統選挙で負けたとき暴れたから、民進党側も暴れるだろうと考えて鉄条網を設置したのか。
しかし4年前の総統選挙で民進党とその支持者が民主選挙を理解していたので理性的な態度をとった。だから今回は鉄条網無しとなったところか。
ようやく、馬総統と副総統の巨大な写真看板のある選挙本部とステージに到着。(この時5時半。せっかく昼前に台北に着いたのに・・・)
ステージ前の座席は埋まっているが、両端のほうは椅子が余っていて座り放題の状態だ。
人々は中視か華視か忘れたが、どちらかの選挙番組に集中し、馬氏と蔡氏の票数が増えていく様を固唾をのんで見ている。
ステージでは男女の司会者が威勢よく叫び支持者がスプレーラッパで合いの手を入れている。
それにしても4年前に比べて集まった人々が確実に少ないな。それに選挙グッズの屋台も少ない。相変わらず不気味な馬人形や帽子・ジャンバー・タオル・
ヘアバンド・携帯入れ・など売ってるが、グッズの種類が断然足りない。昔は笑えるようなオモチャが売ってたんだけどなぁ。
国民党マークと馬英九の名前が印刷されているお守り袋がある。これは日本のお守り袋と同じ形だ。中華文化圏にこの形のお守りがあるかなぁ?
よく馬陣営がこの形のグッズを作ったな。コレを一つ買うとこの屋台の母娘が片言の日本語でにこやかに接客してくれた。、
よし、次は民進党だ。
忠孝復興駅から一本で府中駅に到着。出口に出て地図に書いてある県民大道を探すが道路名が書いてある標識が見当たらない!
近くにいたお巡りさんに《蔡英文総部》のメモを見せて聞くと『この道を真っ直ぐだ』と教えてくれたが、お巡りさんが教えてくれた地図の場所は一つ手前の
板橋駅の斜め向かい。観光案内で聞いた場所とぜんぜん違う!
とりあえず両方とも同じ県民大道沿いなので歩いて行こう。
板橋駅に近づくと選挙イベント特有の司会者の叫び声とスプレーラッパの音がする。結局お巡りさんが正しかった。
ようやく着いた時はすっかり日も暮れた7時頃。
ステージ前の規模は国民党より民進党のほうが大きい。4年前の民進党選挙本部より、人々が集まっている。そしてさっきの国民党本部前に集まった人々より民進党のほうが多い。
皆、スクリーンに映る二人の票数が増えていく様子を集中してみている。でもさっきより馬総統が蔡候補を引き離している。
ステージに近づくとやはり男女の司会者が民衆を盛り上げている。
それにしても国民党よりこっちのほうがグッズの屋台が多いな。蔡候補の人形や写真が印刷されているマグカップ・帽子にジャンパーにとお馴染みのグッズの他に
台湾の歴史関係の本を売っている屋台がいくつかある。これは馬陣営には無かったな。
それに、食べ物や飲み物の屋台も国民党選挙本部より何倍も多い。これは、それだけ民進党選挙本部に集まる民衆が多い証拠だ。
しばらくすると雨が降ってきた。大粒の本降りになるが、すぐに小雨になったりまた本降りになったりの繰り返しだ。
8時前、テレビ映像を見ていると、どうやら馬の再選が確定のようだ。
もしかしたら4年前のように馬総統の再選が確定した途端、国民党選挙本部前に屋台の数が増えていないだろうな。
確認のために忠孝新生駅に行ってみると大雨!
これは、台湾の涙雨か!(号泣という感じだが・・・)
この雨じゃ屋台も増えておるまいて。
ホテルに帰ってテレビで選挙の様子を確認しようと、台北駅に降りると三越後方の館前路でアップルデイリーが号外を配っていた。
ホテルのテレビではずっと有権者に対する馬総統の再選御礼演説と蔡候補の落選報告演説を繰り返し放送している。
それにしても国民党陣営ではやたら「台湾・台湾」と繰り返し叫んでいる。今までこんな現象は無かったと思うけど・・・。
白色テロ時代、『台湾』の二文字は禁句だったのに今は国民党が『台湾』を前面にアピールしなくてはならない時代になったのだろうか?
15日の夜、羽田に帰国。空港の税関職員が私のパスポートを見て
職員「1泊2日ですか!」
私「台湾総統選挙を見に行ったんですよ」
職員「大変ですねぇ。」
はい、本当に大変でした・・・・。