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ライオンと平和協定を結ぶウサギはその瞬間ライオンの晩餐になります。
「台湾の声」編集長 林建良(りん けんりょう)
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10月19日に台湾から中国国民党訪日団が来日した。同訪日団は来年1月の台湾総統(大統領)選挙で再選を目指す馬英九総統の政策説明と支持を求めるのが目的で、馬総統の選挙事務を取り仕切る金溥聡「台湾加油讃」執行長、曽永権・行政院副院長(国会副議長)、国民党立法委員(国会議員)らが同行している。
金溥聡氏は19日午後に早稲田大学で講演し、馬英九総統がいかに行動的友日派であるかを語り、馬総統は「和中、友日、親米」であり、台日関係は「連日抗中」(日本と組んで中国に対抗する)や「連中抗日」などの古い考え方を捨てて外的要因の影響を受けない共栄共利の新思考を構築すべきだと呼びかけた。
このほか最近、馬英九総統が台中“両岸”の「平和協定」を10年以内に進める意欲を表明したことに関して、金氏は両岸の安定平和の枠組みの提案であり、中華民国憲法下の「不統、不独、不武」の立場は変わらず、中国統一を進めるものではないと強調した。
「平和協定」については、台湾の野党からの批判のトーンが強くなってきている。民主進歩党(民進党)総統候補の蔡英文主席は、馬総統が提案した両岸平和協定に関して、「台湾社会を分裂させ、不安にさせるものだ」と反発し、いかなる協定も「一つの中国」を前提にしてはならないとクギをさした。台湾団結連盟の黄昆輝主席も、平和協定は「一つの中国」原則が前提となり、平和協定の名の下の「一中協定」だと批判した。民進党の立法委員からは、平和協定が「一つの中国」を前提に結ばれれば米国も台湾に武器を売却できなくなり、台湾に極めて不利となるとの懸念の声があがっている。