【日本人も知るべき台湾の歴史】李登輝氏が語る台湾(上)

【日本人も知るべき台湾の歴史】李登輝氏が語る台湾(上)

台湾は日本の生命線!より転載

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台湾では李登輝元総統が六月十七日、台北教育大學台湾文化研究所が主催する人権関連の講演会で講演を行い、このほど第三回目の政権交代が行われたことに関し、初代民選総統としての喜びを語りながら、台湾の民主主義の歴史について、以下のように述べている。

―――台湾はこの四百年来、オランダ、スペイン、鄭一族、清、日本そして国民政府という六つの外来政権に統治されてきたが、一九九六年になってようやく人民による総統直接選挙が行われ、正式に外来統治から脱却した。

―――しかし今年に至る二十年間、国内では民主憲政制度の失敗があり、外務からは中国の統一戦線工作という圧力の危機に見舞われた。

―――だが台湾人民は依然として強固な意思で投票を行い、国の主人たらんという願いを成就させたのだ。

言うまでもなく、蔡英文政権を誕生させ、かつての中共と提携しながら国民党の台湾人支配体制を復活させようとした時代逆行的な国民党政権に終止符を打った有権者の意志を讃えているのだ。

―――第二次大戦後日本は台湾放棄をさせられ、台湾は米英などの連合国軍に加盟した中国国民党に軍事占領され、中華民国という新たな外来政権の統治下に置かれた。

―――五十年に及んだ日本統治下で近代化が進んだ台湾は、文明的には台湾劣る新政権の統治を受けたが、台湾人にはもちろんそれは政治、社会の混乱をもたらすものと映った。そして二二八事件が発生したが、あれは二つの異なる文明の衝突だった。

―――こうした状況の下で、台湾人は「新時代の台湾人とは何か」との新たな問題を抱えることとなった。それが「新時代の台湾人」という自覚の始まりだった。外来政権は台湾人を刺激し、自身は一つの独立した存在だとの絶対的な意識を確立する契機を与えたのだ。

―――台湾人を中心とする主義は、先ずは台湾の存在を確立して初めて台湾を救出できると考えた。「新時代の台湾人」ならではの力とは、台湾人が主人になり、民主改革を進めたいという集団的な民意のことである。

以上が今日に至る台湾の歴史の流れである。それに照らして考えれば、蔡英文政権の誕生の歴史的な意義というものが理解できるのではないか。

もしかしたらこれまでにない独立自主の時代が到来しようとしているのかもしれない。

台湾併呑を目論む中国(あるいはその傀儡たる国民党)から見れば由々しき事態であり、武力恫喝を通じてでも圧力をかけたいところだが、そうした状況を目の当たりにするたびに、「台湾は緊張を高めず自制を。中国と対話せよ」と訴える声がいかに大きかったことか。

それは中国にばかりに目が行き、こうした外来政権の下で呻吟してきた台湾人の歴史に関心を寄せようとしなかったためだろうか。

(つづく)


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