【日本よ】台湾に法的位置づけを
「国民新聞」より転載
「台湾の声」編集長 林 建良
台湾は世界一の親日国家である。だがなぜか日本政府は戦後一貫して台湾人を圧迫する側に立ち続けている。戦後の日本は台湾へ逃げた蒋介石政権を「中国を代表する政権」として承認し、蒋介石の台湾人弾圧に目を瞑った。1972年以降は中国の「台湾は中国の一部である」という主張に「理解して尊重」という立場をとっている。いずれも台湾人の意向を無視した政策なのだ。
日本にとって台湾とはどういう存在か。国なのか、中国の一地方なのか。現在の日本の法体制の中で言えば、答えはすべてノーである。つまり日本の法体制の中に台湾は存在していないのだ。そんなバカな、と思う親台湾的な日本人は多かろうが、残念ながらこれが日本の現実なのだ。
アメリカは台湾との国交はないが国内法には「台湾関係法」があり、台湾の法的な位置づけを明確にしている。2005年にはカナダも「台湾事務法」を制定し、外交委員会で通過したのだが、年末の解散総選挙によって廃案となってしまった。
アメリカやカナダ以上に台湾とは運命共同体的存在である日本に台湾を曖昧にするメリットはあるのだろうか。もしあるとすれば、中国の機嫌を損なわないで済むことぐらいであろう。ただこの卑屈的な態度は中国をつけあがらせるだけである。
日本はそろそろ台湾を正視して、法的位置づけを真剣に検討すべきではないだろうか。