【寄稿】歴史を忘れた民族

【寄稿】歴史を忘れた民族

               日本台湾医師連合理事 王 紹英

【編集著の一言】とても鋭い視点です、是非ご一読を!!

韓国のサッカー代表チーム応援団がソウルで28日行われたサッカー東アジア杯の日韓戦で、観客席に「歴史を忘れた民族に未来はない」との横断幕が掲げられた。しかし、横断幕はハングル文字で書かれていたのでもちろん私は全く読めませんでした。果たして、これはどこどこの国に向かって発しているメッセージのかしらと、頭を掻きたくなります。これはきっと日本を非難していると早い合点するのは日本の自虐的な悪い癖と思われます。また、こんな子供ボイ愛国的行為にいちいち腹を立ったら体のためになりません。

一人の哲学者も出てこなかった朝鮮民族がこんな哲学的なスローガンを掲げられることに意外な感じがしました。「歴史を忘れた民族に未来はない」ははたしてどこの民族を指弾しているのでしょうかと韓国の周りの国々を考えたくなります。

もちろん、中国に下からの目線でそんなことは言えるはずはありません。また、中国人は「歴史を忘れること」を通り越して数々の歴史をねつ造してきた朝鮮よりも優秀な民族であるので、韓国人に非難されることはないと思われます。

視線を日本から南へ移して台湾を考えると心が思わず痛くなります。ひょっとしたら韓国人が台湾人を叱咤激励してくださっているではないかと感謝したくなります。言うまでもなく、台湾人は自分を虐殺した相手の中国国民党に自らの意思で行政権を渡しました。しかも、虐殺から逃れた残り数少ない生存者が歴史の証人として語ってくれているにも関わらずのことでした。世界歴史上の珍現象であり、大スキャンドルといくら指弾されても足りません。台湾に「歴史を忘れた民族に未来はない」の一言で心が折れ、意志消沈になりそうです。

日本も歴史をよく忘れる民族ではないかと思われます。日本人が血を流して朝鮮を中国もしくはソ連の植民地にされることから救ったことを忘れていた。朝鮮半島に残した多くのインフラが朝鮮の近代化に役立ったことも頭の隅っこに残っていません。朝鮮戦争の韓国軍将校も戦後韓国の近代化に必要な人材も日本人が教育したことを日本人が覚えていないそうです。日本はつい最近まで韓国に日本国民の血税で韓国の経済破綻から救ったことを完全に忘れ去ったようです。しかも、救った相手からありがとうの一言を貰うこともさえ忘れたそうです。

蛇足だが、日本は、台湾はかつて兄弟の国であることも全く覚えていないようです。あるいは、一枚の平和条約を盾に知らん顔を装っているかもしれません。

韓国は他人の非を指弾するぐらい歴史をよく勉強し、覚えているのでしょうか。そんなに偉ぶっていたら検証をしたくなります。

韓国人は日本人が朝鮮半島に残した業績を全く覚えていないそうです。日本が築き上げた医学をはじめとする近代化の教育、ハングル文字の奨励保護、インフラの建設が今日韓国の繁栄の礎になったことも韓国の歴史教科書に載っていないでしょう。韓国軍がベトナム侵攻したとき、アメリカ兵がさえ震え上がった虐殺を多くおこなったことは、韓国の現代史に書かれているでしょうか。今、ベトナム人が一番嫌いのは韓国人であることも納得できます。

歴史はわれわれ人間の仕業の集積であるので、光があれば、影もあるのが当然です。日本人も所詮人間あり、良い人も居れば、悪人も居るはずし、また同じ一人の人間の内部にも善悪が複雑に織り込まれているので、それぞれの営みで歴史に足跡を残していくのです。

日本の朝鮮経営は天使のごとくすべてが善であったとはとても信じられませんが、その一方、韓国人が好んで指弾する悪魔のような仕業であったとはあり得ないと思われます。極常識的考えれば、恐らく台湾に行われた植民地経営と大差はなかったではないか、あるいは台湾よりも力が入っていたかも知れません。朝鮮半島の植民地経営に被植民民族に共通していた鬱憤と不満はあったものの、植民事業に光と闇が同居していたと推測できます。しかし、自分の暗部を見ずに他人の闇を指弾するのは偽善としか思われません。このような偽善文化と韓国の美容形成文化と関係しているかどうかは、定かではありませんが。


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