【台湾で学んだこと4】国民から三行半を下された国民党

【台湾で学んだこと4】国民から三行半を下された国民党

阿部伸一郎 (岐阜李登輝友の会 東濃分会)

今回の訪台で台湾人ガイドが話す日本語に
「とうさん」と言う熟語が、しばしば出てきた。

意味が理解出来なかったので
「とうさん」「とうさん」と言うが何のこととかと聞くと、
それは、「党産」のことだと解った。

「党の資産」のことだが、
具体的には、「国民党の資産」のことを指す。

李登輝総統が誕生し民主化に手を付ける前の
台湾は、国民党の一党独裁でやりたい放題であった。

日本統治時代の資産なども
国家でなく国民党がほぼ一人占めした。

まぁ、国家イコール国民党だった訳だ。

その後も、総統選を落としたことはあっても
立法委員(国会議員)では、常に第一党であった。

ゆえに、国民党は国内外に莫大な資産を有する。

そしてそれは、現在においても
不動産、製造業、金融、サービス業、マスメディアなど等
ありとあらゆる企業を傘下に収める。

政党と言うよりも一大産業グループである。

そして、先の総統選で
国民党候補は、ダブルスコアで完敗した。

立法委員(台湾は一院制)でも大敗し、
初めて、しかも大幅に過半数を割った。

与党と成った民進党や時代力量は、
既に、この党産に手を付ける法制度の準備を進めている。

利益で結びついていた政党故に、
党産が切り崩されれば、雲散霧消となることは、間違いなかろう。

金の切れ目が縁の切れ目と言うやつだ。

国民党が衰退すると、
一番面白くないのは、中華人民共和国共産党だ。

これから様々な嫌がらせが起きよう。

その第一弾は既に放たれ、中華人民共和国からの
観光客が激減しているそうだ。

そういう全体主義的体質を嫌うからこそ、
中華人民共和国に寄り沿う国民党は、
国民から三行半を下されたのが解らないとみえる。

北風で台湾人のコートを吹き飛ばすことは出来ない。

もう一度、イソップ物語を学ぶがいい。

がんばれ、台湾。

台湾、加油。


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