【劉暁波を救出せよ】「台湾での治療を歓迎」 国会議員、劉暁波氏の解放を中国大陸に呼び掛け
(台北 29日 中央社)中国大陸の民主活動家で、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が末期がんと診断され、治療のために刑務所から遼寧省内の病院に移送されたことについて、台湾でも関心が集まっている。立法院(国会)超党派人権促進会会長の尤美女立法委員(国会議員)は29日、中国大陸出身で台湾在住の民主活動家、ウアルカイシ氏らと共同で記者会見を開き、中国大陸に対して劉氏の釈放を求めるとともに、劉氏の台湾での治療を歓迎する姿勢を示した。
尤議員は中国大陸が昨年、司法分野における人権保障に関する白書を発表し、刑務所などに対する監督の強化などを報告したことに触れた上で、劉氏が末期の肝臓がんにより刑務所外治療となったのは皮肉だと言及。さらに、国連人権理事会(UNHRC)の理事としての立場を軽視した結果、人権をないがしろにし、人権活動家をがん末期まで獄中に閉じ込めたとし、中国大陸を強く非難した。
中国大陸の人権問題に関心を寄せる民間団体の理事長を務める楊憲宏氏によれば、台湾の病院からすでに、劉氏の治療受け入れの申し出があったという。また、楊氏は蔡英文総統に対し、劉氏の台湾での治療に最大の誠意を示すよう呼び掛けた。
これを受けて総統府の林鶴明報道官は、劉氏が早急に適切な治療を受けられ、回復に向かうのを願いたいとし、「可能な範囲での支援は喜んで提供する」と述べた。
(葉素萍/編集:名切千絵)