台湾の声編集部 2012.7.9
在留カード制度施行初日である本日、午前8時30分、
品川の東京入国管理局前にはすでに50人を超す申請者
が集まっていた。
また、日本や台湾のテレビ局や新聞社の記者らの姿も見
えた。
1階で申請書を記入し、写真を貼って、二階のDコーナー
で書類確認を受けて申請書類用ファイルと受付番号カー
ドをもらう。番号が呼ばれたら、申請書類が受理される。
在留カードが出来たら再度呼び出され、4番窓口で受け
取るという手順だ。
台湾人で最初に並んだのは台生報の連編集長だ。7時す
ぎくらいから並んだらしい。次に並んだのは大学院に通
う黄君。受け取りの窓口の前で報道陣が今か今かと待ち
構える。
ところが、受付窓口の関係で若い番号になった黄君が先
に呼ばれたが、受け取らずに戻ってきた。すぐに呼ばれ
た連編集長も、受け取らずに戻ってきた。
なんと、国籍欄を中国にされたらしい。しかし、入管は
すぐに修正することを約束したという。事前のミーティ
ングでの周知はなかったのだろうか?
報道陣から質問を受け、連編集長は、はじめて日本へ留
学してから、強制的に中国人扱いをされ、50年間この
時を待っていたと語った。台湾表記の在留カードの交付
を受けた、黄君も、喜んで、みんなに感謝したいと語っ
た。
受付番号48番になった「玲」さんは、「名前の漢字表
記を希望しません」というチェック欄に間違えてチェッ
クしてしまった。台湾の人は漢字だけすぐに頭に入るの
で、このような間違いは頻発するだろう。窓口で、「漢
字間違えないでくださいね」と念を押したのに、受付の
人は、気がついてくれなかった、と残念がる。
双方の責任なので、修正するということになったが、ず
いぶん待たされた後で、二回目に渡されたのは「玲」の
字が「鈴」の字にされていた。
入管の受付の人は、「玲」の字が、認められてない字だ
からではないか、などととぼける。そんなはずはない。
なんとか、再修正するということで合意する。これが
10時ごろだったろうか。
ところがそのころから状況がおかしくなる。スクリーン
に映し出される呼び出しの番号50番の後の表示が109番に
なり、抜かされた人たちが状況を確認しに窓口へ近寄っ
てきた。
カウンターの奥では、コンピューターの前に、技術者ら
しい人が座っている。システムにトラブルが起こってい
るようだ。
ある台湾人留学生は連れ立って、午前8時40頃到着し
て、76番になった。受理までに、1階のコンビニで朝
ごはんを食べてきたが、交付までは、まだまだ、である。
午後から授業だという人もいるので、昼ごはんを食べに
行った。
昼ごはんを食べて戻ると、「玲」さんの修正作業は、な
んと、まだ終わっていない。朝から取材していたテレビ
局に、入管側は、もう長すぎると言っている。同社も、
時間切れで撤収するという。
その後、別のテレビ局がやってきた。すると、アナウン
スがあり、受付番号100番以降は、当日交付が出来な
いので、呼ばれたら、後日送付の手続きをしてほしい、
とのこと。
ところで問題は、50番以降、100番までの人々がな
かなか呼ばれない。不安に思って窓口に近づいてくる申
請者たち。そんななか、76番の台湾人留学生は台湾表
記の在留カードを手にして、「嬉しい。いろいろな手続
きの時に中国と間違えられなくてすむようになった」と
笑顔でインタビューを受けていた。
交付窓口には人が引き続き集まってきて、それをテレビ
局のカメラが収めている。入管職員は、「本日はシステ
ムのトラブルのため取材を終えてほしい」と申し入れを
するが、テレビ局も、初日だからこのようなミスも想定
されること。取材続行を拒否するなら、ちゃんと理由を
示してほしい、と食い下がる。
結局、78番の留学生は、朝8時40分に到着したにも
かかわらず、午後一番目の授業を休まざるを得なかった。
授業を休んだのに、当日交付を受けられなかったら嫌だ
と不安が募る中、在留カードを受け取れたのは、午後3
時近く。それでも、彼女は笑顔で夕方の授業へ向かった。
本日、現場に来ていたテレビ局は、NHK、フジテレビ、
TBS、また台湾の台湾電視台である。編集部では、フジテ
レビ、TBSが台湾人へインタビューしていたのを目撃した。
午後4:50から7時にかけての番組内で報道する予定
だという。