【スキャンダル】司法干渉で台湾法相が辞任、馬政権に打撃

【スキャンダル】司法干渉で台湾法相が辞任、馬政権に打撃

2013.9.8 産経新聞

 【台北=吉村剛史】台湾最高検の特別偵査組(特捜部に相当)は6日、王金平立法院長(国会議長)らによる司法干渉があったとする捜査結果を発表、関与を指摘された曽勇夫法務部長(法相)が同日夜、騒動の責任をとる形で辞任した。曽部長は司法干渉については否定している。

 特別偵査組などによると、最大野党、民主進歩党の柯建銘立法委員(国会議員)が6月、会計法違反などの罪に問われた自らの裁判で無罪判決が出た後、王院長に、検察側が上訴を断念するよう口利きを依頼。王院長は曽部長、陳守煌高検検察長を通じて検察側に働きかけたとされる。結局、検察側は上訴せず、7月、柯氏の無罪が確定した。

 王院長の違法行為には罰則規定がなく、特別偵査組は曽、陳両氏を弾劾や譴責(けんせき)を行う機関に書類送付、今後調査が行われる。

 馬英九総統は7日、私用でマレーシアに滞在中の王院長に早期帰台を促した。王院長は与党、中国国民党の重鎮で、一部メディアは与党内抗争の一環との見方を報じている。

 台湾では7月、兵役中に急死した陸軍下士官の死因は「虐待死」だったとして社会的批判が噴出し、国防部長(国防相)の更迭や辞任も続いている。

 支持率が低迷する馬政権にとって、第4原発の建設工事続行の可否をめぐる住民投票や、中台相互の市場を開放するサービス貿易協定の審議など課題が山積する中、さらなる打撃となりそうだ。


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