【蔡亦竹の台湾速報】『国民党内戦』

【蔡亦竹の台湾速報】『国民党内戦』

2013.9.11 23:15

 先週末、台湾立法院長(国会議長)王金平氏と法務
大臣との盗聴記録が公開され、王氏に司法介入の疑い
があるとされた。公開時、王金平氏は娘の結婚式のた
めに外遊していたが、総統馬英九はただちに「驚きに
して心が痛む」との声明を発し、王氏がただちに帰国
することや、国会議長を辞職することを要求した。

 ただし、この盗聴記録だけでは、王氏の違法は確定
できず、そもそも盗聴そのものを公開することは、政
敵を打撃することにほかならない。

 王氏が数日後に帰国した際、発した声明は「自分は
なんら不法行為にも関与しておらず、国会議長、そし
て国民党をやめるつもりはない」というものであった。

 翌日、馬英九はただちに党マシンを動かし、王金平
氏の党籍を剥奪した。これにより王氏は比例代表の国
会議員をただちに失うことになる。

 なぜそこまで焦って党内の国会議長を陥れたかとい
うと、王氏は中国とのサービス業協定に警戒的な態度
を取り、国会での審査を堅持したからであろう。中国
はサービス業協定を台湾と結ぶことによって、台湾に
浸透して将来「中国包囲網」なるTPPに穴をあける
魂胆がある。馬氏はすでにTPPに参加したいと明言
し、アメリカも前向きに検討するとの回答を与えてい
る。

 せっかくの中国包囲網も、売国大統領である馬英九
の親中ぶりでつぶれてしまう可能性は大いにある。そ
れなら、莫大な犠牲を払う日本のTPP参加の意義は、
水泡に帰す。しかも、この売国行為を成し遂げるため、
馬氏はあらゆる体制破壊をも恐れず、同じ党の国会議
長まで取り除こうとしている。

 たかが台湾の国民党の内戦だが、実はアジアの情勢
にかかわるニュースである。


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