メルマガ「遥かなり台湾」より
2014/05/08
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4月1日の夜に行われたチャリティーコンサートは、台中に住んでいる大学生、家庭主婦、定年
退職者など日台双方の人たちがボランティアや観客動員などに協力してくれてコンサートを陰で
支えてくれました。その中の一人で現地の大学に留学している女子大生に当日の感想などをお願
いしたところ快く引き受けてくれました。本日はそれを皆さんに紹介したいと思います。
「ありがとう台湾」「がんばれ東日本」チャリティーコンサート
東海大学政治学部一年 藤倉聡子
2014年4月1日に台中の中山堂で素敵なチャリティーコンサートが開かれました。コンサートの
テーマとして二つのことがあります。それは「ありがとう台湾」「がんばれ東日本」です。
前者は昨年5月9日に神奈川県座間市で行われた「台湾高座会流日70周年歓迎大会」の剰余金を使
って、台湾の方に三年前に起きた大震災への支援に対する謝意を表したいということから始まった企
画です。後者は前者の概要を台湾高座会に伝えたところ、趣旨には大賛成だが自分たちはそれを受け
るだけでなく、第二の故郷である日本に更なる激励のメッセージを送りたいということで企画された
ものです。東日本大震災3周年に当たり世界一の支援をしてくれた台湾に感謝の「ありがとう台湾」、
東日本の被災地にさらなる激励のエールを送る「がんばれ東日本」、この二つの実行委員会が主となり
今回のコンサートが実現しました。
私はボランティアのスタッフとして当日会場に入っていました。お客さんの層は実に幅広く、子供連
れの家族や大学生、また高座会のお年寄りの方などがいらっしゃっていました。コンサートが目的で
組まれた日本からのツアーもあり、会場はほぼ満席の状態での開演でした。プロローグとして、NHKで
放送された動画が会場2つのスクリーンに映し出されました。それは被災者である高校生が現在の心
境と将来への希望を話しているものでした。個人的な話となりますが、私は宮城県の仙台から留学し
に来ました。私も三年前あの大地震を経験しましたので、このスピーチしている学生の気持ちが痛い
ほどわかりました。
続いて実行委員長の石川公弘さんのご挨拶があり、石川さんが私の気持ちを代弁して台湾の方々に伝
えてくださった気がしました。そしてプログラム三番目に「ふるさと」の曲がありました。私はこの
際台湾で聞く日本の童謡にとても感動しました。「忘れがたきふるさと」「志をはたして いつの日
にか帰らん」との歌詞がありますが、震災で被害を受けたふるさとを離れて異郷にいる今の自分とリ
ンクして思わず涙しました。合唱団は福島県南相馬市と周辺地区の中高生を中心に結成されたMJCア
ンサンブルの皆さんだということで、どのような気持ちで歌っているのだろうと聴きながら思ってい
ましたが、私と同じく故郷に思いを寄せているのだと感じました。また、私は同じ大学の同級生二人
を連れてきていたのですが、私が耐えられず涙を流す姿を見て、そのうちの一人が「あなたの気持ち、
分かっているよ。」というような顔で頷いてくれて、とても温かい気持ちになりました。
私は基本スタッフとして会場のサポート行っていたので始めと終わりの演奏しか聞けませんでした。
しかし、一番最後に歌われた日本の復興支援ソング「花は咲く」を聞くことが出来たのは非常に幸せ
なことでした。優雅なピアノの前奏から始まるこの曲が最後にそのやさしい歌詞と歌声で会場を包み
込んでくれました。私はこの一曲が終わった瞬間「ああ、この曲がこの先ずっと歌い継がれる限り、
日本と台湾の関係は素晴らしいものであり続けるはずだ。」そう思いました。コンサートが閉幕し、
お客さんが三々五々お帰りになっていくのをお見送りしたのですが、私の挨拶に対して「ありがとう
ね。」と返してくださった方たちの笑顔がとても素敵で印象に残っています。
このコンサートの模様は翌日NHKでも放送され、全国に日台の絆が今回また一段と強くなったという
ことが報道されました。被災地の方々にもこの思いが少しでも届いていたら同じ被災者としてこれ以
上の喜びはありません。私は今回このコンサートをサポート出来たことを心から嬉しく思います。
「志をはたして いつの日にか帰らん」、これから続く留学生活を実り豊かなものにし、いつの日か
は故郷に微力ながらも還元できるようにこれからも精一杯励んでいきます。