9月6日より 東京藝術大学大学美術館で『黄土水とその時代』が開催

台湾の彫刻家といえば、『蕃童』や『甘露水』『水牛群像』などで知られる黄土水(1895〜1930年)をまず思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

台湾ならではの原住民の少年や水牛を題材にしたレリーフなどの彫刻からは、台湾人としての抑制のきいた矜持が静かに迫るようだ。

35年という短い生涯ながら、いまでも台湾を代表する彫刻家として評価は高い。

日本の東京美術学校(現在の東京芸術大学)に入学した初めての台湾人であり、また日本の帝展に入選した最初の台湾人で、台湾近代美術の先駆者が黄土水だった。

来る9月6日(金)から 10月20日(日)まで、東京藝術大学大学美術館の本館展示室3、4を会場に、「黄土水とその時代─台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」が東京藝術大学と国立台湾美術館の主催で開かれる。

本展では、昨年、台湾で国宝に指定された『甘露水』など黄土水の作品10点とともに、陳澄波や顔水龍、李梅樹といった台湾出身の近代洋画家たちの作品約10点も紹介し、さらに、黄土水が東京美術学校彫刻科木彫部で指導を受けた高村光雲をはじめ、高村光太郎、平櫛田中、荻原守衛、朝倉文夫、建畠大夢といった彫刻家、藤島武二や和田英作などの洋画家の作品も紹介されるという。


国宝「甘露水」、東京芸大美術館で公開へ 戦前台湾を代表する彫刻家・黄土水の裸婦像【中央通信社:2024年8月8日】https://japan.focustaiwan.tw/culture/202408080008

(台北中央社)1910〜30年の台湾美術界を代表する彫刻家、黄土水(1895〜1930年)に焦点を当てた展覧会が、東京・上野の東京芸術大学大学美術館で9月から開催される。

台湾で国宝に指定されている裸婦像「甘露水」などが海を渡り、黄の“母校”に里帰りする。

同館と共同で展覧会を主催する国立台湾美術館(中部・台中市)によれば、黄は1915〜22年に台湾出身者として初めて東京芸大の前身、東京美術学校に留学し、近代彫刻を学んだ。

「甘露水」は黄の死後に台湾に移されたが、政治的要因などで長期間にわたり日の目を見る機会がなかった。

修復を経て2021年に台北市内の美術館で公開された後、国立台湾美術館に収蔵され、その後23年に国宝に指定された。

展覧会では黄の作品10点や関連資料に加え、黄を指導した高村光雲をはじめとする同時期に活躍した彫刻家や洋画家の作品を紹介。

台湾出身の東京美術学校卒業生の自画像作品も展示される。

展覧会は「黄土水とその時代─台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」と題し、9月6日から10月20日まで開催。

9月17日、24日、10月15日は休み。

(王宝児/編集:田中宏樹)。

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