蔡焜霖さんが死去 旭日双光章受章者、白色テロでの投獄経て雑誌創刊

【中央通信社:2023年9月4日】https://japan.focustaiwan.tw/society/202309040003

(台北中央社)子供向け雑誌「王子」などの創刊者で、日本政府の「旭日双光章」受章者の蔡焜霖(さいこんりん)さんが3日夜、死去した。92歳。戒厳令下で国民党政権が市民の思想や言論を弾圧した「白色テロ」の被害者でもある。

 蔡さんの友人で、同じく白色テロ被害者の陳欽生さんが4日、明らかにした。

 1930年、中部・台中生まれ。50年に読書会に関与し、反政府組織に参加してビラを配ったとして懲役10年、剥奪公権7年の判決を言い渡され、60年まで獄中生活を送った。出所後に広告や出版業界に身を投じ、66年には獄中で知り合った仲間と雑誌「王子半月刊」を創刊。日本の漫画を参考にした台湾製漫画や小説などを掲載した他、元政治犯を積極的に雇用し、社会復帰を支援した。84年には友人と共同でファッション誌「儂儂」を創刊するなど、出所後40年にわたり、台湾の文化業界で活躍し続けた。

 日本政府は2021年春の外国人叙勲で、台湾における日本文化の紹介や相互理解の促進に寄与したとして蔡さんに旭日双光章を授与した。「王子」において、漫画の紹介を通じて日本に関する情報や当時の日本の最先端の画風や作風を台湾に広く伝え、台湾での日本式漫画の発展に大きく貢献した功績がたたえられた。

(邱祖胤、王揚宇/編集:名切千絵)

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