黄昆輝氏ら群策会・李登輝学校一行が実りある成果を携えて帰国

日本国内で開催されるシンポジウム参加を主な目的として、元総統府秘書長(内閣官房
長官に相当)の黄昆輝・群策会副理事長を団長、李登輝前総統の次女の李安[女尼]・台
湾総合研究院副院長を副団長として9月15日から来日していた群策会・李登輝学校の一行42
名は、すべての日程を終え昨日帰台した。

 第1陣の阮銘・台湾総合研究院顧問(前総統府国策顧問)、小栗山雪枝・台湾総合研究院
顧問、荘孟学・群策会教育処処長(栃木県日台親善協会顧問)ら20名は9月15日に来日して
日光まで足を伸ばし、栃木県日台親善協会(宇井肇会長)招待による日光・尭心亭におけ
る晩餐会でおいしい会席料理と精進料理を存分に味わった。

 この席には、同会顧問でもある林建良・本会常務理事、柚原正敬・本会事務局長、成田
空港まで出迎えて日光に案内した薛格芳・本会理事も参加し、荘孟学氏などと久闊を叙し
た。

 翌16日午前に開かれた栃木県日台親善協会主催の懇談会には柚原事務局長も臨み、薛理
事は通訳をつとめた。この懇談会には宇井会長や宇井貴彦事務局長をはじめとする栃木県
日台親善協会の面々が臨むとともに、栃木出身の森山真弓・元官房長官肇や斎藤文夫・日
光市長、眞杉瑞夫・前日光市長なども出席、結局、日本側が33名、台湾側が21名の54名が
出席、自己紹介などを通じて群策会・李登輝学校一行と交流した。

 第1陣は16日夕方の便で着いた黄昆輝団長ら第2陣と合流し、17日、18日両日、アジア太
平洋研究学会(小田村四郎会長)とのシンポジウムに臨んだ。

 黄昆輝団長らが宿泊先である東京・池袋のメトロポリタンホテルに入る際、台湾李登輝
学校研修団卒業生である飯田義人、竹崎俊茂、卯里通彦氏らが歓迎プラカードを持って出
迎えると、予期しない歓迎に黄昆輝団長らは驚いた様子だったが、李登輝学校の卒業生だ
と分かると喜色満面の笑顔で応えた。

 このシンポジウムでは、李登輝前総統がビデオを通じて約30分にわたって挨拶された。
その内容の詳細を「台湾週報」が報道しているので、下記に掲載する。

 19日は3組に分かれ、第1組は国会議員との懇談会、第2組は都議会議員との懇談会、第3
組は都内観光に臨んだ。

 第1組は黄昆輝氏を団長に、羅福全(亜東関係協会会長)、黄天麟(前総統府国策顧問、
元台湾第一銀行頭取)、蔡明憲(前国家安全会議副秘書長)、周美里(群策会研究所所
長)、小栗山雪枝などの各氏が出席。王良原・東海大学助教授が通訳し、柚原事務局長が
同行した。
 懇談会は民主党の国会議員連盟である「日本・台湾安保経済研究会」と都内のホテルで
行われ、議連側からは中津川博郷・会長(前衆議院議員)、大江康弘・事務局長、田村秀
昭、野田佳彦、松原仁、渡辺周、池口修次、田名部匡省、松下新平、榛葉賀津也の各氏が
参加、安保問題や中国・台湾の経済問題などについて活発に意見交換した。中津川会長も
「国際会議というと儀礼的に終りがちだが、非常に中身のある懇談となった」と述べ、今
後とも続けていきたい意向を表明した。

 また、第2組は李安[女尼]氏を団長に、黄昭堂(台湾独立建国聯盟主席)、阮銘、頼怡
忠(民進党中国事務部主任)、蔡永泉(嘉義市議会議員)、張森富(台湾大学教授)の各
氏が臨み、李清興氏(李登輝学校国政研究班三期生、勝美旅行社社長)が通訳をつとめ、
永山英樹事務局次長が同行した。
 懇談会は、昨年12月に東京都議会に発足した「東京都議会・自民党日台友好議員連盟」
と議事堂5階にある自民党特別応接室で行われ、議連側からは樺山卓司・会長、鈴木隆道
・副会長、小磯明・幹事長、高木啓・事務局長、秋田一郎・会計担当、服部征夫・監事、
吉原修・監事が出席し、やはり活発に意見交換が行われた。

 第3組は荘孟学氏を団長に、国会、都議会に参加しなかったメンバーで構成し、本会から
は片木裕一事務局次長、冨澤賢公事務局員が同行して都内観光に臨んだ。まず李登輝前総
統が訪れてみたいと希望している江東区の芭蕉記念館を訪問すると、そこに台湾李登輝学
校研修団の第1期生でもある豊島成彦・江東区議が待ち構えて一行を案内した。また、第1
期生の伊藤英樹氏がお菓子などの差し入れをするなど、一行は大喜びだった。次に江戸博
物館を訪問。たっぷりと日本の江戸情緒を味わった。

 一行は懇談や観光が終るとホテルへ戻ってしばし買い物や休憩の後、夕刻、台北駐日経
済文化代表処(大使館に相当)の許世楷大使が主宰するレセプションに臨んだ。本会から
も柚原事務局長や永山・片木両次長をはじめ、シンポジウム用の中文レジュメの邦訳に携
わった本会会員なども招待され、おいしい台湾料理を食べ紹興酒などを飲みつつ、話が弾
んで大いに盛り上がった一夜となった。

 帰台日となった20日昼、宿泊先のメトロポリタンホテルには本会から柚原事務局長ら約10
名が見送りに馳せ参じ、ロビーで名残を惜しみ、「台湾万歳」の三唱とともにバスを見送
ると、バスの中から千切れんばかりに手を振りつつ成田空港へ向かった。


自由主義国の連携を強化し、中国の覇権拡張を阻止
【9月19日 台湾週報】

 李登輝・前総統が主催する群策会、李登輝学校、日本アジア太平洋交流協会が共催する
「第2回日台アジア太平洋未来フォーラム」が9月17、18日の2日間にわたり東京都
内で開催され、台湾と日本の今後の協力などに関し活発な議論が交わされた。李登輝・前
総統はこの席でビデオ映像を通して挨拶を述べ、中国の台頭と覇権拡張を阻止するため、
日本が率先しすべての自由主義国が連携を強化すべきだと指摘した。

 今回のフォーラムは「グローバル化と日台の未来」をメインテーマに行われ、黃昆輝・群
策会副董事長をはじめ、台湾団結連盟の黄適卓・立法委員(国会議員)、阮銘・元総統府
国策顧問、日本側からは自由民主党青年部の萩生田光一・衆議院議員および政治評論家の
櫻井よしこ氏らが出席した。

 李登輝・前総統はビデオによる挨拶において、現在の中国は旧ソ連や毛沢東時代の閉鎖
的な共産主義制度と異なり、一種の開放的な、世界の自由主義国の資金や技術、人材など
を取り込む制度を採っているとの考えを示した。また、中国は国民を奴隷同然に扱う制度
のもとで安い労働力と国有地を盾に経済および軍事力を拡張しており、それが世界的な労
働賃金の安値と失業率増加、メーカーの生産過剰を招き、貧富の差を広げていると指摘した。

 李前総統はさらに、世界で戦略的に重要な位置づけにあるアジア太平洋地域は今まさに
中国の「新奴隷制度」に直面していること、自由主義国の自由の力はこの奴隷制度の力に
勝るものの、自由主義諸国の覚醒が足らず分裂していることに問題があるとの見方を示し
た。

 李前総統は、日米首脳が発表した「世界の中の日米同盟」について、自由、民主、人権
、法治など普遍的価値観の確立はその同盟の基礎であり、アジアの歴史の変化を助けるこ
とがその目的であると指摘した。そのうえで、日米はともに中国の奴隷制度と自由と平和
に対する脅威を防ぐため、この同盟をさらに拡大し、欧州連合(EU)や北大西洋条約機
構(NATO)やアジア太平洋の自由主義国連盟を構築する必要があるとの考えを述べた。

 李氏はさらに、台湾を「一つの中国」で縛り付けることは中国に「現状を変更」させる
ことに繋がり、新興の自由主義国である台湾の首を絞めることになると指摘し、日本が率
先して「一つの中国」という根拠のない考え方に終止符を打つよう呼びかけた。そのうえ
で、日米同盟は平等な同盟であり、日本は主体性を持ってアジア太平洋地域における自由
と民主の拡大に尽力し、中国の奴隷制度を食い止めてほしいと期待を述べた。

 一方、黄適卓立法委員は、昨年春に連戦・国民党主席と宋楚瑜・親民党主席が相次いで
訪中し、台湾の政府や日米が疑念を提示しているなか、中国の勢力がますます盛んになり
、病原菌のように台湾国内に入り込んでいると指摘した。そのうえで、台湾国内で本土派
の力は強まっているものの、反共勢力は弱まり、台湾の親中、親日米の二つの勢力が衝突
し始め、そこから中国に傾く危険性があると指摘した。

 櫻井よしこ氏は、台湾は日本と同様、国民が自国に対する誇りを持ち、自覚を持つべき
であること、台湾の国民は中国にむやみに左右されるべきではなく、中国とだけ商売しよ
うと思うべきではないと指摘した。さらに、台湾はより教育を充実させ、台湾の運命は台
湾の人々が自分で決めるものだと国民に理解させるべきとの意見を述べた。

 また萩生田議員は、台湾で騒がれている総統罷免案に関し、同案はすでに国会で否決さ
れたことに触れ、民主主義の台湾においてその決定は尊重されるべきとの考えを述べた。
黄昆輝副董事長は、総統罷免案は国会により処理されたうえで、再度公民投票を行うべき
との見解を示した。 阮銘・元総統府国策顧問は本件に関し、こうした勢力を軽んじてはな
らず、台湾の民主に関わる問題は台湾人みずからが解決すべきであるが、民主と自由の維
持には国際社会の支持が必要であること、現在中国には問題が山積しており、日、米、台
湾など自由民主の国々は緊迫感を持ち、早急に同盟を結ぶべきとの考えを示した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――2>> 10月1日(日)、神奈川李登輝友の会が江の島の児玉神社に参詣
   神奈川県支部会員の方はふるってご参加を!

 去る7月23日、ご祭神である児玉源太郎歿後100年記念の例大祭を斎行し、その折、李登
輝前総統が揮毫された「兒玉神社」扁額の除幕式を行った藤沢市・江の島の児玉神社に、
来る10月1日、神奈川県支部として参拝します。
 今でも台湾の人々から慕われている児玉源太郎の足跡を偲び、初秋の一日、台湾少年工
もよく訪れていた江の島を散策いたします。
 すでに神奈川県支部会員各位には葉書でご案内させていただいておりますが、参加ご希
望の会員の方は、支部事務局までお申し込みください。

 神奈川県支部主催行事ですので、原則は神奈川県支部会員の方を対象とします。ただし
、会員のご紹介であれば非会員の方のご参加も歓迎です。特に若い方は大歓迎! ご家族
もお誘い合わせの上ふるってご参加下さい。

■日 時:平成18年(2006年)10月1日(日) 12時〜15時

■集 合:小田急片瀬江ノ島駅 改札口 12時

 昼食(駅前、各自、実費、軽く)後に参詣、現地にて15時頃解散予定。その後、観光と
 海を見ながら懇親会(予約せず、実費)を計画しています。

■申込先:FAXorメール(担当:佐藤事務局長)
     FAX: 045-713-7342
     E-mail:harimao@r8.dion.ne.jp

■主催・お問い合せ
 日本李登輝友の会神奈川県支部
 〒232-0071 横浜市南区永田北3-18-14 佐藤方
 TEL・FAX:045-713-7342

*当日連絡先:090-8108-4905(佐藤事務局長)