麻生太郎外相が台湾のWHO年次総会参加を支持、日台医師連合会長もアピール

3月15日、麻生太郎外相は参議院の外交防衛委員会において、台湾が世界保健機関(W
HO)年次総会へオブザーバー参加を支持した。日本は2002年(平成14年)以来、アメリ
カとともに支持を表明しており、麻生外相は「日本は台湾の近くに位置し、最も影響を受
ける確率の高いこともあるので、日本は従来どおりこの問題の参加拡大を続けていきたい」
と、政府見解が変わらないことを表明した。

 また、3月25日付の産経新聞「アピール」欄に、「国際的防疫へ 台湾のWHO参加を」
と題した日本台湾医師連合の丘哲治会長の投稿が掲載された。

 ちなみに、昨年12月に開催した「日台共栄の夕べ」におけるアンケート調査では、参加
者の実に98%が台湾のWHOオブザーバー参加を支持すると回答している。

 本誌としても、引き続き台湾のWHOオブザーバー参加支持の世論を喚起していく。本
誌読者にもご協力をお願いしたい。「声」をお寄せ下さい。

 「台湾週報」が麻生外相発言と丘哲治・日本台湾医師連合会長のアピールについて伝え
ているので、下記に紹介してみたい。
                  (メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬)


麻生太郎・外務大臣、台湾のWHO年次総会参加を支持
【3月28日 台湾週報】

台湾が引き続き目指している世界保健機関(WHO)年次総会へのオブザーバー参加に
関する問題が、3月15日に開かれた参議院・外交防衛委員会でとりあげられた。同委員会
で自民党の岡田直樹議員がこれについて質問し、麻生太郎・外務大臣が見解を述べた。

岡田議員は「現在、世界の保健衛生面はボーダレスであり、鳥インフルエンザや新型イ
ンフルエンザに備える観点から、WHOに加盟していない台湾が感染症の情報や対策で空
白地帯になるのではないかという危惧がある。現在日本と台湾は年間250万人の人的交流が
あり、その数も年々増加している。日本国民を感染から守るという見地からも台湾を空白
地帯にすべきではない。台湾を国際政治の思惑と切り離し、人道的な立場で台湾のWHO
年次総会へのオブザーバー参加が望ましい」と見解を述べた。

同議員はさらに「2004年のWHO総会で日本政府は台湾のオブザーバー参加に賛成票を
投じたが、その投票理由は、『関係者(主に中国をさす)の満足する形での台湾のオブザ
ーバー参加が望ましい』とあるがこの表明は現在も変わらないか?」と質問した。

これに対し、麻生外務大臣は「ご指摘のとおり頻繁な往来がある。日本は『台湾だけが
全く空白地域となるのは問題ではないだろうか』と2005年のWHO総会でも述べ、現在で
も台湾のオブザーバー参加が望ましいという考えに変わりはない」と回答した。

岡田議員は続けて「台湾は毎年オブザーバー参加を求めている。今年5月にもWHOの
総会があるが、日本が関係国あるいはWHOの事務局とこの問題をどのように協議してい
くか、アメリカとも緊密な連携をとっていくべきだと思うがどのように進めていくのか」
と政府の方針をたずねた。

麻生外務大臣は「日本は台湾の近くに位置し、最も影響を受ける確率の高いこともある
ので、日本は従来どおりこの問題の参加拡大を続けていきたい」と政府の方針を述べた。

                          【中央通訊社 2007年3月26日】


日本在住の日本台湾医師連合会長もWHOの年次総会に向けてアピール
【3月29日 台湾週報】

台湾は今年5月に開催されるWHO(世界保健機関)年次総会へのオブザーバー参加を
目指して引き続き強力に国内外でさまざまな活動をおこなっているが、民間でもこの活動
を応援し呼びかけをおこなっている。今回、日本在住の丘哲治・日本台湾医師連合会長が
「産經新聞」に投書した「台湾のWHO参加に日本の牽引力発揮を」と題するコラムが3月
25日の同紙「アピール」欄に掲載された。

掲載された丘会長のコラムには「日本でも今年1月に鳥インフルエンザが発生したが、
早急な対応により感染終息宣言が出された。しかし、厚生労働省の発表によると、もし人
類が免疫を持たない新型インフルエンザに感染すると日本国内で17万人から最大64万人が
死に至ると推計される。そのため、国 内では引き 続き注意していく 必 要 がある。2003
年に発生したSARSの終息後、2005年に中国青海省で発生した新型鳥インフルエンザ、
今年1月に日本で発見された鳥インフルエンザも渡り鳥が媒体としたもので、これは世界
が直面している国際的脅威の一環だと指摘されている」と現状を説明した。

このことから同氏は「このような世界的脅威に対応するにはWHOを中心に世界各国が
緻密な情報交換や技術の提供などによる防疫ネットワークを構築し、世界中で協力すべき
だが、WHOには台湾の参加が認められていないという大きな欠陥がある。台湾は毎年W
HOの年次総会へのオブザーバー参加を求めているが、現在でもまだ実現されていない」
と指摘した。

さらに「これはWHO憲章の全人類の健康を保護する原則にも違反し、国際政治の面か
らも医療と保健は人権の一部とみなされる現在、これは世界が注視すべき不合理な状態だ。
特に台湾の近くに位置する日本は国際防疫ネットワーク強化の観点から世界をリードし、
台湾のWHO参加をより一層強く支持することを希望する」と呼びかけた。

最後に「自分たち個々人にも人類の健康を守る使命がある。台湾のWHO参加が国家間
の問題として論じられるだけでなく、世界の一員として実現の後押しの声を自分たちも上
げるべきと強く感じている」と決意を記している。


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