馬英九総統が尖閣領有主張の反日団体「中華保釣協会」に「和衷共済」の掛け軸贈呈

日台関係の改善に水を差す馬英九総統

 報道によると、11月9日、尖閣諸島の領有を主張する活動家らが「中華保釣協会」を設
立し、その大会に馬英九総統が「和衷共済」(心を合わせ、共に助け合う)と大書した
掛け軸を贈っていたことが判明した。

 共同通信によると、同協会は毎年1回、尖閣諸島へ出航するとし、活動家の一人は「李
登輝、陳水扁時代に抑え込まれていた活動が有利な状況を迎えた」と述べ、「中国など
各地の活動家ともネットワークを強化し、台湾社会における領有権の意識向上に努める」
ことも掲げているという。

 この動きに日本政府関係者は警戒を強めており、読売新聞は「反日団体とも言える組
織へのこうした贈り物は、日台関係に影を落とす恐れ」を指摘し、毎日新聞も「日本側
とトラブルになる可能性もある」と述べ、日台関係への影響を懸念している。

 馬英九総統は「尖閣は中華民国の領土」という主張に変わりはないとしつつ、「領土
問題は棚上げしよう」と言い、「日本は特別なパートナー」とも言う。しかし一方で、
尖閣諸島の領有を主張する活動家らの団体にエールを送って反日活動を煽動している。

 これでは「中国式」の二枚舌、ダブルスタンダードと非難されても致し方あるまい。
日台関係の改善に水を差しているのは馬英九自身だ。さすがに馬総統の側近は「不適切
だった」と反省しているというが、しかし総統府側は「毎週1500本以上も発送しており、
特別な意味はない」と公言しており、日台関係への影響を心配する様子は伺えない。

 馬英九総統の最高指導者としての統率力が問われてもいるが、尖閣問題きっかけに台
湾の一部が「反日」に転じたことを象徴する「和衷共済」の掛け軸だ。

                                   (編集部)


尖閣領有主張団体に祝辞=「共に頑張ろう」と台湾総統
【11月17日 時事通信】

 【台北17日時事】台湾でこのほど、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する
新たな民間団体「中華保釣協会」が設立されていたことが17日分かった。馬英九総統は
同協会の設立大会に際し、「(領有権確保に向け)心を同じくして共に頑張ろう」など
とする祝辞を送り、改めて同諸島の領有権を主張した。

 尖閣諸島をめぐっては日本、中国、台湾が領有権を訴えている。同協会幹部によると、
同協会は当局の認可を経て設立され、今月9日に台北郊外で設立大会を開催。約70人の
会員に加え、香港やマカオなどの活動家も合わせ約200人が集まった。その際、馬総統
のほか、親民党の宋楚瑜主席も「領土を防衛しよう」とする祝辞を送ったという。

 馬総統はかつて尖閣諸島の領有権を主張する活動を行っていたことで知られる。「日
本は特別なパートナーだ」として日台友好を強調する一方、同諸島は「中華民国(台湾)
の領土だ」との主張を繰り返している。(了)


馬英九総統が反日団体と連帯?贈った掛け軸に「和衷共済」
【11月17日 読売新聞インターネット版】

 【台北=源一秀】台湾の馬英九総統が、尖閣諸島(台湾名・釣魚台列島)の領有権を
主張する民間団体「中華保釣協会」(本部・台北、劉源俊理事長)の発足に合わせ、反
日行動をあおるような文言の入った掛け軸を贈っていたことが分かった。

 反日団体とも言える組織へのこうした贈り物は、日台関係に影を落とす恐れもある。

 同協会は今年6月、内政部(総務省)に正式認可され、11月9日に発足した。会員は約
80人。中国や香港、マカオ、米国の活動家とも連携を取っている。「釣魚台の主権死守」
を設立の目的として掲げ、「(日本との)釣魚台海域の共同開発」が最終目標としてい
る。活動計画には「毎年1回の釣魚台訪問で我々の主権を主張すること」も盛り込まれ
ている。

 掛け軸は今年10月末、馬総統が贈ったもので、「和衷共済」の成語が大書され、隣に
馬総統の名前が入っている。成語は「心を同じくして協力しよう」の意。馬総統自身、
過去に尖閣諸島の領有権を主張する活動に関与していることから、同団体に肩入れした
ようにも読み取れる。

 しかし、馬総統の側近は読売新聞の取材に対し、「掛け軸は慣例として、正式認可さ
れた団体に、様々な文言で贈られるもの。特定の団体に向けたものではない。ただ、日
台間の微妙な問題を刺激する文言を選んでしまったのは不適切だった」と釈明している。

 日本の領土である尖閣諸島について、中国と台湾は領有権を主張している。



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