に寄稿した論考を紹介した。西尾氏の「AIIBは中国が他国のカネを当てにし、自国の欲望を満
たそうとする謀略」と核心を衝く考察に、目から鱗の人も少なくなかったに違いない。
台湾は創設メンバー申請の締切日だった3月末日に申請したが、同じく申請した香港、ハンガ
リーとともに57の創設メンバーから外された。
これを受け、昨日、財政金融の三部門トップが立法院財政委員会に出席、張盛和・財政部長(大
臣)は、中華台北(チャイニーズ・タイペイ)名義で一般会員になれたとしても、権利と地位が香
港と同等ならば参加はしないと明言したという。台湾国際放送の記事から紹介したい。
財政部:香港と権利、地位同等ならAIIB参加せず
【台湾国際放送:2015年4月16日】
財政部が、香港と権利、地位が同等ならばアジアインフラ投資銀行(AIIB)へは参加しないとし
ている。
財政部の張盛和・部長、中央銀行の彭淮南・総裁、金融監督管理委員会の曽銘宗・主任委員は16
日、立法院財政委員会に出席、中国大陸が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加申請に
関する報告を行った。
3人は合同報告の中で、AIIBに参加した場合、台湾の国際社会への参与の機会が増すこと、ビジ
ネスチャンスが拡大すること、台湾の地域経済統合参与が促されること、台湾海峡両岸の経済貿易
協力に新たな方向性が生まれること、台湾企業の国際市場でのビジネスチャンス及び台湾の金融業
の発展など、5つのメリットについて説明した。
張盛和・財政部長はまた、中国大陸側の情報が不透明で、台湾がなぜ創設メンバーになれないの
かの理由はまだ不明だとしている。張・財政部長によると、創設メンバーを希望しなかったイラン
が創設メンバーとなった一方で、台湾、香港、ハンガリーは申請したものの57の創設メンバーから
外されたという。
張・財政部長はそして、「チャイニーズ・タイペイ」名義で一般会員になれたとしても、権利と
地位が香港と同等ならば参加はしないと明言、中華民国政府は友好的な創設メンバーを通じて、枠
組み作りの際に台湾が矮小化されることのないよう働きかけていくと考えを示した。
張・財政部長は、「6月末にAIIBの規定が明らかになった段階で検証し、矮小化されていなけれ
ば一般会員の申請を行う。今は情報を収集しているのみだ」と説明した。
AIIBに参加した場合、どれほどの資金を拠出するかについて、張・財政部長は、台湾元22億元
(日本円にして約84億円)前後との見方を示した。