異なり、この事件を奇貨としてさらに日台の絆は強まるものと確信しております」と述べました。
これっぽっちの事件で揺らぐほど日本と台湾の絆は弱くなく、台湾のニュースを見ていると、犯
人の思惑とは反対になるだろうという思いを強く抱いたからに他なりません。
台南市の頼清徳市長も「台湾と日本の間で培われてきたこうした友好関係、安定的な関係は、中
国におもねり、日本を敵視する人の感情的な行為によって壊されることはなく、逆に多くの人に八
田與一氏の功績を知らしめることとなり、台湾と日本の協力関係をより強いものにする」(4月18
日付「台湾国際放送」)と述べていたそうです。
また、文明史家で評論家の黄文雄氏も、この醜悪な事件の裏に「日台離反を画策する中国の影」
を指摘しつつ、やはり頼市長と同じく「かえって逆効果ではないでしょうか」と指摘しています。
別掲で「黄文雄の『日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実』」(2017年4月18日号)を
ご紹介します。
なお、本会は昨4月18日、「八田與一像修復・復元『緊急募金』」を始めましたが、この「緊急
募金」について、早速、本日付けの台湾最大手紙「自由時報」が取り上げて紹介しています。日本
人の思いの一部が台湾に届いたようで嬉しいことです。
◆「日本李友會 緊急募款修銅像」【自由時報:2017年4月19日】
http://news.ltn.com.tw/news/politics/paper/1095409
〔駐日特派員張茂森/東京十八日報導〕日本「李登輝之友會」今天向日本各地分會及相關人士發
出緊急募款通知,目的是修復在烏山頭水庫遭「斷頭」的八田與一銅像。募款期間自今天起到本月
廿七日,募集到的款項將由廿八日出發的「李登輝學校研修團」直接交給嘉南農田水利會。
また、本会ホームページでは、本会台北事務所が引き続きこの事件に関する台湾国内の報道をま
とめて掲載しています。
Facebook上では、犯行時の生々しい写真も公開されていて、犯行後、八田銅像の頭部を持って記
念撮影に及ぶなど悪質な犯行の様子が明らかになっています。確かにショッキングな写真で、改め
て憤りと怒りの念が湧いてきます。しかし、それと同時に、日台の絆はさらに強まるとの確信は
いっそう揺るぎないものとなっていることも事実です。
◆八田銅像事件:犯行時の写真が公開される(閲覧注意)【本会HP:4月18日】
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170418-02/
◆八田銅像事件:容疑者供述 八田銅像の頭部は持ち去っていない【本会HP:4月18日】
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170418-01/
台南市長「台湾と日本の友情は壊れない」 八田氏の慰霊祭予定通り実施へ
【中央通信社:2017年4月18日】
(台南 18日 中央社)台南市の烏山頭ダムに設置されている日本人土木技師、八田与一氏の銅像
が破壊された事件で、中国大陸との統一を支持する団体のメンバーで元台北市議の男らが17日、出
頭し犯行を認めたことを受け、頼清徳台南市長は同日夜、「親中仇日的な行為によって台日間の友
情が壊されることはない」とし、5月8日の慰霊祭を予定通り実施すると発表した。
頼市長は、毎年八田氏の命日に行われる慰霊祭には台日双方の関係者が列席し、絆は深いものだ
と指摘。今回の感情的な事件によって、かえってより多くの人に同氏の貢献が知られることにな
り、両国の協力関係もより強固なものとなるだろうとの考えを示した。
水不足の今こそ、日本統治時代にダム建設に尽力した八田氏に感謝の念をより一層覚える、と同
氏の功績をたたえた頼市長。銅像の修復も慰霊祭に間に合わせられるだろうとしている。
(楊思瑞/編集:楊千慧)