ミナー開催も県内3カ所に拡大するという画期的な目標を掲げた。地元紙の静岡新聞が報じている
ので下記に紹介したい。
高校生の海外修学旅行先を台湾に絞り、訪台校数を増やすという目標を掲げた都道府県の教育委
員会は、恐らく静岡県教委が初めてではないだろうか。日台交流を推進しようと活動している本会
としては心の底から嬉しくなるニュースで、静岡県教委の英断を高く評価したい。
そもそも静岡県は台湾との交流に熱心で、2009年3月14日に台北県、高雄市、高雄県、嘉義市と
「青少年の相互交流推進に関する協定」を締結している。2011年3月には念願だった静岡空港と台
北桃園空港を結ぶ定期便が就航し、2013年3月21日には川勝平太・静岡県知事自ら教育をテーマに
訪台、教育部(文部科学省に相当)の黄碧端・政務次長と意見交換している。
また、2013年4月22日には、都道府県レベルでは初となる県の駐在員事務所「ふじのくに静岡県
台湾事務所」を台北市内に開設。 この年の8月26日には台北市、新北市、台南市、桃園県、嘉義県
の5市県と「防災分野における覚書」を結び、翌年(2014年)の2月17日にはそれを伸展させて、新
北市、台北市、台南市、桃園県、基隆市、嘉義県の4市2県と「防災に関する相互応援協定」を結ん
でいる。
本誌ですでにお伝えしたように、全国修学旅行研究協会が本年1月17日に発表した「平成27年度
全国公私立高等学校海外(国内)修学旅行・海外研修実施状況調査報告」によると、高校生の海外
修学旅行先はアメリカの3万6,170人(249校)を台湾が3万6,356人(224校)という僅差で抜いて
トップとなっている。
全国的にも台湾を修学旅行先とする高校や中学校は急増しており、間もなく発表される予定の文
部科学省による調査「平成27年度(2015年度)高等学校等における国際交流等の状況について」で
も裏づけられるだろう。
ちなみに、台湾から日本への修学旅行は、2011年度に台湾(3,494人、101校)が韓国(3,475
人、138校)を19人という僅差で抜いて1位となってからはその差が広がる一方で、2013年度は台湾
の1万1,382人(310校)に対して2位の韓国は5,567人(193校)だった。
台湾への修学旅行促進 静岡県教委、高校対象
【静岡新聞:2017年4月18日】
静岡県教委は2017年度、県内高校の台湾などへの修学旅行の促進に向け、海外の魅力や基礎情報
を提供するセミナーの開催を県内3カ所に拡大するなど、各校への働き掛けを強化する。新たに台
湾への修学旅行を検討する公立高の視察費用の支援なども継続し、16年度実績で公私立14校だった
訪台校数を30校に増やす目標を掲げる。
16年度までの県総合教育会議で、修学旅行などを通じた高校生の海外体験の重要性を確認し、促
進策を推進していくことで一致。費用が比較的安価で安全性が高い台湾を渡航先として推奨し、16
年12月、県立校長らの現地調査団が訪台したり、海外への修学旅行の未実施校を対象にしたセミ
ナーを開催したりして実現を後押ししてきた。
17年度はセミナーを県東・中・西部の3カ所に拡大して開催し、航空会社や大手旅行代理店によ
る相談会や、講演などを行う。16年度に引き続き、4校を対象に台湾への視察費用を支援するほ
か、現地調査団の訪台も実施する。
16年度は公立10校、私立4校の計1840人が修学旅行で訪台した。一方、台湾からの来静は公私立
合わせて30校815人で、県教委は訪台の校数も30校程度にすることを目標にしている。