文部科学省の「海外における日本の大学の拠点(平成27年度)」によれば、日本の大学の海外拠点では中国がもっとも多く138ヵ所、以下、タイ(52ヵ所)、ベトナム(46ヵ所)、米国(43ヵ所)、インドネシア(32ヵ所)だそうで、台湾はまだ5指に入っていない。
ちなみに、全580の国公私立大学で、台湾に拠点を開設しているのは下記の19大学で、職員を派遣しているのは東京外大のみだ(文部科学省の「海外における日本の大学の拠点(平成27年度)」より)。
筑波大学・台湾オフィス、東京外国語大学・Global Japan Office 淡江大学(新北市)、京都 大学農学研究科・国立台湾大学オフィス、京都工芸繊維大学・国際学術交流クラブ台湾連絡事務 所、広島大学台湾研究センター(桃園市)、山口大学・台湾国際連携オフィス(彰化県大村 郷)、徳島大学・国立台湾科技大学教育研究センター、九州大学・台北オフィス、長崎大学・国 立台湾海洋大学交流推進室(基隆市)、青森中央学院大学・台湾事業所(台南)、日本薬科大学 都築伝統薬物研究センター(台中)、麗澤大学台湾事務所(高雄市)、青山学院大学・国立台湾 大学リエゾンオフィス、拓殖大学・台湾留学デスク、法政大学・台湾事務所、京都造形芸術大 学・台北事務所、同志社大学・台湾事務所、関西大学・台湾オフィス(高雄)、立命館アジア太 平洋大学・台湾オフィス。
いささか前置きが長くなってしまったが、8月3日、亜細亜大学が台北市内に台湾事務所を開設したという。文部科学省の最新調査は平成27年度のもので、日台の交流スピードが格段に速くなっている今からすればいささか古くなっているかもしれないが、台湾に拠点を開設した大学としては20番目となる。「NNA ASIA」のニュースを下記にご紹介したい。
————————————————————————————-亜細亜大、海外拠点3カ所目を台湾に設立【NNA ASIA:2018年8月6日】https://www.nna.jp/news/show/1796595
亜細亜大学は3日、台北市中山区の東京国際飯店内に台湾事務所を開設した。同大が海外拠点を設けるのは3カ所目。
栗田充治学長と東京国際飯店・京都商務旅館の徐銀樹・董事兼総経理が同日、東京国際飯店で事務所運営に関する覚書(MOU)を交わした。覚書には◇台湾に派遣される学生や教職員への支援◇亜細亜大の教育プログラムの広報活動への協力◇台湾での卒業生間の相互連絡など人的ネットワーク構築への支援――が盛り込まれた。
同大は今年8月からインターンシップ2人、交換留学生2人を台湾に派遣する予定。台湾事務所では病気の際の対応など生活面でのサポートも行う。
栗田学長によると、台湾事務所設立は2016年に策定した中長期計画「アジア未来マップ2025」における項目の1つ「アジアの交流拠点となる」に基づくもの。25年までにアジア5カ国・地域に10拠点を設ける計画で、これまで17年3月にシンガポール、18年7月には中国北京市に設立した。
台湾事務所の代表に就任した徐銀樹氏は、1981年から86年に亜細亜大に留学。台北でホテル運営を行うほか、有力経済団体の中華民国全国商業総会(商務)理事、中華民国旅館商業同業公会全国連合会の栄誉理事長などを務めている。これまでも同大が手掛ける海外インターンシップ制度の台湾での受け入れ先探しなどに協力してきた。
亜細亜大学国際交流課の担当者は「ホテル業のインターンを希望する学生には女子学生が多いが、事務所ができたことで、より安心して送り出すことができる」とコメント。学生に対しては「現場感覚や海外で働くことの喜びを感じてほしい」と期待をにじませた。