任を前に、台北市内で日本メディアと会見した。会見では日本語を交えて話したという。下記に時
事通信の記事をご紹介したい。
懸案の沖ノ鳥島をめぐっては「国際組織の決定を尊重する」と述べ、「岩」だとして軍艦まで派
遣した馬英九前政権との立場の違いを強調し、駐日台湾代表として「経済や文化交流、地方自治体
どうしの姉妹提携などの分野で、関係拡大に取り組む考えを示しました」(NHKニュース)とい
う。
食品輸入規制解除に前向き=謝長廷・駐日代表が会見
【時事通信:2016年6月6日】
【台北時事】台湾の駐日大使に当たる台北経済文化代表処代表の謝長廷氏(70)は6日、台北市
内で時事通信などと会見した。台湾当局が実施する日本食品の輸入規制について、謝氏は行政院
(内閣)の決定事項だと強調した上で、「永遠に福島の食品を輸入できないというのは不合理だ」
と述べ、解除に前向きな姿勢を示した。9日に着任する。
謝氏は解除時期に関しては、「もう少しの時間が必要で、今すぐにはできない」と説明した。台
湾当局は2011年3月の東京電力福島第1原発事故の直後に福島など5県からの食品輸入を禁止。15年3
月には5県の産地偽装が発覚し、規制はさらに強化された。謝氏は解除には過去5年間の輸入規制の
状況を精査する必要があると指摘した。
一方、日本最南端の沖ノ鳥島周辺で台湾漁船が拿捕(だほ)され、台湾当局が沖ノ鳥島を「岩」
と主張して反発したことをめぐっては、「われわれは国際組織の決定を尊重する」と述べ、馬英九
前政権との立場の違いを強調した。馬政権が漁民保護を理由に軍艦を周辺海域に派遣したことに対
しては「同意しない」と語った。
◇謝長廷氏
46年5月18日、台北市生まれ。70年に台湾大学を卒業後、京都大学大学院に留学。国民党政権が反
対勢力を弾圧した79年の美麗島事件で被告側弁護団に加わり、86年の民進党結成に参加。89年立法
委員(国会議員)に初当選。98年高雄市長に当選。05年に行政院長(首相)。08年の総統選に民進
党公認候補として出馬したが、国民党の馬英九前総統に敗れた。70歳。