案内はどうして簡体字ばかりなんだろう
札幌市・國上 富
前略
日台関係で、いつも気になっていることがありまして、お便りいたします。
私は札幌に住んでおります。札幌には最近、台湾、香港からの観光客が多く、ホテルの
前で観光バスの一団が乗り降りしたり、繁華街でツアーガイドから説明を受けてから分散
して散策する様子がよく見られるようになりました。
行政が観光に力を入れていることもありますし、以前聞いた話で、台湾、香港などで北
海道がヨーロッパの風土に似ているということでちょっとしたブームにもなっており、「
じゃらん」などの現地版も出ているそうです。
そこで、気になっていることというのは、行政が設置している道路案内や観光スポット
の案内などが、基本的にすべて、簡体字であるということです。もちろん、人民共和国か
らの観光客が大勢いるなら構いませんし、行政側には外交関係に対する配慮があるはずで
す。
しかし、これでは、実際に台湾・香港から多数のツアー客が来ているという実態をまっ
たく無視するものですし、いくら行政でも観光はやはりサービス産業であり、利用する人
の立場に立ってサービスを提供することくらいアタリマエのことだと思います。
確かに、札幌市は瀋陽市と姉妹都市ではありますが、果たして、どれだけの観光客が瀋
陽から来ていることか。(この点については、実態のデータを挙げなければならないとは
思いますが、残念ながらまだ調べておりません。)
これだけだと札幌市の問題にしかなりませんが、おそらく日本国中、似たり寄ったりの
状況ではないかと推測いたしております。もちろん人民共和国からたくさんの観光客が来
る地域があれば、簡体字のみでも構わないでしょうが、そういう事態はあまり考えられま
せん。
また、政府も確か「ようこそ、JAPAN」なるキャンペーンを実施して、空港などで小泉首
相が登場するビデオ映像も見たことがあります。とすれば、政府関係にも外交関係を盾に
、実態との乖離を見て見ぬふりをする例がある多々あることと思います。
つきましては、日本李登輝友の会の全国網を利用して、台湾等からの観光客のデータを
集めたり、自治体の言い分を聞いて見たりして、それを集約し、日台関係の実態認識を高
めるようなことはできないでしょうか。
蛇足になりますが、個人的には戦後の国語改革により、漢字が制限されたり、略字体が
多くなったことも不本意です。こうした戦後政策がなければ、日本、台湾、香港は、同じ
漢字を共有できる「非・中華思想圏」としての連帯も可能かも知れないと思います。
愚案、お読み頂きまして、どうもありがとうございます。 草々
平成18年3月14日