英国仕込みの交渉力(蔡英文と台湾5)  鵜飼 啓(朝日新聞台北支局長)

【朝日新聞:2016年6月2日】
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12388346.html?rm=150
写真:1984年、ロンドン大経済政治学院で博士号を取得するころの蔡英文氏(右)と姉=台湾・総
   統府提供

 「蔡英文(ツァイインウェン)は台湾史上、最も優れた総統になるだろう」。民進党の元主席、
許信良は昨年9月の訪米時、面会した米国の元外交官にこう言われたという。経済や国際交渉が分
かっている、との理由だった。

 台湾における米国の窓口機関、米国在台協会の副所長などを務めたこの外交官は1990年代に、国
際貿易交渉の場で台湾代表団の顧問だった蔡と同席したことがある。休憩時、蔡が中国語で同僚
に、米国の立場や戦略を解説しているのを聞いた。非常に的を射ていたので驚いた、という。

 台湾大学を卒業した蔡は、ロンドン大経済政治学院(LSE)への留学を志す。同院はもともと
左派系の影響が強く、貧困や貧富の格差などの研究で名をはせていた、と自伝で振り返っている。

 だが、誰かが父親に「あの学校は共産党が行く学校だ」と吹き込んだ。共産党を敵視する国民党
政権の時代。心配する父親の反対に遭い、まず米コーネル大で修士課程を学んでからLSEに移る
ことにした。

 LSEで選んだ研究テーマは「不公平貿易措置とセーフガード」。グローバル化の時代に、国際
組織や国際法がどう対処していくのか。こうした研究は欧米で始まったばかりで、台湾ではほとん
ど手がつけられていない領域だったという。

 こうした専門を選んだことが、蔡のその後を決定づけることになる。

 日本の植民地だった台湾は戦後、中国を治めていた国民党政権「中華民国」の統治下に入った。
混乱期を経て、60年代に軽工業、70年代に重工業を中心に発展。70年代は経済成長率が平均10%を
超える高度成長期に入っていく。80年代に政治的な締め付けが和らぎ始めると、経済の自由化も進
展し始めた。

 蔡が台湾に戻って教鞭(きょうべん)を執り始めたのは、台湾の国際的な貿易交渉が本格化する
時期だった。そして、蔡の研究はまさに台湾が必要としている内容だった。周りの大学院生と見分
けがつかない年格好の蔡が、国際貿易局の仕事を手伝い始めたのはある意味、必然だったと言え
る。=敬称略

                                    (台北=鵜飼啓)


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