おか・のぶあき)氏が急逝心筋梗塞のため、新宿区内の病院で急逝された。享年65。まっ
たく惜しい方を喪った。
宮崎正弘氏(作家・評論家)が昨日のメルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で、
台湾の李登輝元総統を一緒に訪ねた台湾視察団のことなど、花岡氏との思い出をつづる追
悼記を書かれていた。ここに転載してご紹介したい。
おくやみ 訃報 花岡信昭さん
【宮崎正弘の国際ニュース・早読み:平成23年(2011年)5月16日発行 通巻第3329号】
http://melma.com/backnumber_45206_5184765/
花岡さんとは十年ほどの短い付き合いだが、急速に濃密なおつきあいが始まったのは氏
が産経新聞を退社されて、長野県知事に挑むという、やや無謀な立候補表明をされ、その
壮行会以後である。
ならば田中康夫なるトウヘンボク知事撲滅をめざすという花岡さんを励まそうと有志が
発起し、九段会館でのパーティには森喜朗元総理も駆けつけた。
政治評論から政治家への転身は明治時代からもよくあり、安倍晋太郎、藤尾正行、額賀
福四郎、大森理森らの名前がずらりと並ぶ。ところが、その激励パーティの翌日に立候補
を取りやめた。
病気がちの母親看病のため新幹線で長野に通っていた。
昨夜(15日)午後9時すこし前に羽田空港へ帰着し、携帯電話のメッセージをみると訃報
が入っていた。拓殖大学関係者からで、小生も同大の客員教授。花岡さんは大学院教授。
帰宅してパソコンをあけると産経新聞の関係者から夥しくメッセージがはいっており、あ
まりに突然の訃報に驚きの声が多かった。通夜と葬儀の日程の案内もあった。
いくつかの思い出が走馬燈のように脳裏を横切った。
個人的なことを三つほど書く。
まず花岡さんの再婚について。メル友から発展して現在の奥さんと再婚したのは、数年
前のように記憶する。桜の季節に小生らが主催の恒例花見会は墨田川に屋形船を浮かべ、
飲んで騒ぐ、帰路はカラオケ大会になる。多士済々が集まるが、或る年に「再婚三人組」
を招いて、それぞれスピーチをして貰ったことがあった。花岡信昭さん夫妻、花田紀凱さ
ん夫妻(ウイル編集長)、上島喜朗さん夫妻(正論編集長=当時、夫人が再婚)。
花岡さんがべらぼうに歌がうまいと知ったのは、その屋形船のカラオケでの出来事。「道
を間違えたのでは? 流行歌手になったほうが良かったのでは?」等と軽口を言いなが
ら、そういえば、花岡さんの親友のひとりは歌手の大月みや子さんだ。
しばらくして台湾の李登輝元総統を訪ねる視察団に花岡さんに加わって貰った。ある
晩、時間ができて、急に陽明山温泉に行った。その折に「わたしは低体温だから」と言っ
て入浴を遠慮され、かと言って酒を飲む人ではないので、ひたすら鍋をつついた記憶があ
る。小生もその夜は飲み過ぎ注意報がでていて(苦笑)、入浴しなかった。当時、台湾の
広報官だった張超英氏が車で案内してくれ、ほかに高山正之氏、藤井厳喜氏らがいた。
氏はいつも「私はドメセンですから」と言っていたが、海外事情にも詳しく、安全保障
問題に関心が深かった。ドメセンというのはドメスティック専門。国内政治分析がエキス
パートという意味で、その政局の予測はじつにおもしろく、小生も氏のメルマガの愛読者、
よく啓発された。
さて、台湾での出来事もいくつかあるが、この人、まったく酒を飲まない。代わりにヘ
ビースモーカー。いつも苦虫をかみつぶした風貌なのにユーモアたっぷりで、その上、意
外に人なつっこく、そして歌がうまい。
そこで石平さんの出版記念会のおり、スピーチよりも余興で、「十八番を如何ですか?」
と誘うと、いくぶん照れ笑いながらもまんざらでもなくて、大ホールの聴衆がふりむくほ
どに旨く歌われたのが、なんと十分近くも時間のかかる三波春夫の「俵星玄蕃」。赤穂浪
士の心情と決意がにじみ出るような謳いぶりにしばし時を忘れた。ともかく義理堅い人だ
った。
合掌。
≪編集部注≫
本日の宮崎氏のメルマガで、読者からの「石平さんの出版記念及び帰化発表のパーティ
ーでは、『浪速恋しぐれ』を歌っておられたと記憶しています」との投稿に対し、宮崎氏
は「よくぞ、そういうディテールまでご記憶ですね。そうでした。進行プログラムを打ち
合わせしていて『俵星玄蕃』は長すぎるので、曲目を変更して貰ったのでした」と返答し
ている。
花岡家 通夜・葬儀告別式
・通 夜 式 5月19日(木) 午後6時〜7時
・葬儀告別式 5月20日(金) 午前11時30分〜午後1時
・会 場 千日谷会堂
東京都新宿区南元町19 TEL:03-3353-4541
【交通】JR中央線 信濃町駅 徒歩1分
http://www.shaso.jp/shaso/hall/hall04.html
・喪 主 花岡恭子(はなおか・やすこ)夫人
・供花申込み (株)東京総合葬祭
東京都新宿区信濃町11番地
TEL:03-3353-3210 FAX:033353-6693
*式場の都合により、上記の葬儀社へ、FAXにて直接お申込み下さい。