米国で台湾への軍事支援などを盛り込んだ国防権限法が成立

 米国の国防権限法(NDAA:National Defense Authorization Act)は国防授権法とも呼ばれ、米国の国防プログラムの承認と予算上限額を決定するもっとも重要な法律の一つだ。連邦政府が国防総省に対して予算権限を与える法律で、当該会計年度より5年間にわたり特定の事業計画に対する支出について権限が与えられる。

 毎年、10月から翌年9月の会計年度に合わせ、上下両院の可決を経て、大統領が署名することによって法律として成立させている。

 2023会計年度(2022年10月〜2023年9月)の国防権限法は、12月8日の下院、15の上院での可決を経て12月23日、バイデン大統領が署名して成立した。予算総額は約8580億ドル(約114兆円)で過去最高額。今後、議会は政府に連邦資金を使う法的権限を与える歳出法案を可決することで法執行が可能となる。

 ちなみに、日本政府が12月23日に閣議決定した2023年度予算案は114兆3812億円で、米国の国防総省予算とほぼ同額。防衛費は6兆7880億円だった。

 今回の国防権限法の特徴は、対中抑止力の強化とロシアの脅威への対抗だ。

 対中抑止力を強化するため、台湾に5年間で最大100億ドル(約1兆3600億円)の軍事支援を行い、年間で最大10億ドル(約1370億円)分の武器を供与できるとし、2024年に米海軍が主催するリムパック(環太平洋合同演習)に台湾を招待するよう提案している。

 去る8月に閣議決定された台湾の2023年度の防衛予算は過去最高の5863億台湾元(2兆6500億円、194億1000万ドル)。米国からの軍事支援は年平均で20億ドルだから防衛予算の約10%に当たる。飛びぬけた軍事支援だ。

 また、毎年、米政府職員5〜10人ほどを台湾に派遣し、1年目に中国語を学んだ上で2年目に台湾の行政機関などで勤務させるという。

 国防権限法では、インド太平洋地域における米軍の抑止力を強化するための基金「太平洋抑止イニシアチブ」に115億ドルを充てているそうで、これは台湾との合同軍事演習を促進させることを想定しているそうで、台湾がリムパックに参加できる背景を作った。

 また、台湾をNATO(北大西洋条約機構)非加盟の主要同盟国に指定し、優先的に軍事物資を獲得できるようにし、武器売却の迅速化も図るという。

 ロシアの脅威への対抗としては、欧州の防衛力を強化する「欧州抑止イニシアチブ」の関連予算に60億ドル、ロシアの侵略を受けるウクライナ向け基金には8億ドルを充てるそうだ。

—————————————————————————————–米国防権限法が成立 台湾に5年間で最大1兆3000億円の軍事支援認める【中央通信社:2022年12月24日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202212240002

 (ワシントン中央社)バイデン米大統領は23日、2023会計年度の国防予算の大枠を決める国防権限法(NDAA)案に署名し、同法案を成立させた。台湾に対し今後5年間に最大100億米ドル(約1兆3272億円)の軍事支援を認める内容が盛り込まれた。

 予算総額は約8580億ドル(約114兆円)。今年9月14日に米上院外交委員会が可決した「台湾政策法案」の一部を含み、最大20億ドル(約2656億円)の対外軍事融資(FMF)供与や最大10億ドル(約1328億円)の重要物資やサービスの確保を認めた。

 また台湾を北大西洋条約機構(NATO)非加盟の「主要同盟国」に指定し、優先的に軍事物資を獲得できるようにすることも盛り込んだ。武器売却の迅速化も図る。

 米政府職員などを台湾に2年間派遣し、1年目は中国語や歴史、政治、地域情勢などを学び、2年目は台湾の政府機関などで職務に当たることを国務長官に求めた。

 これを受けて国防部(国防省)は24日、台米関係と台湾の安全保障に対する高い関心を示していることの表れだとして、心からの感謝を表明。法案の中の台湾に友好的な条文について、米議会が台美協力の促進を支持していることを示しているとのコメントを発表した。

(徐薇?、游凱翔/編集:齊藤啓介)

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