── 台湾を訪問したが、馬英九新総統の印象はどうか
「まあ、私昔から彼知ってますからね。彼もなかなかデリケートな立場にいると思い
ますよ。しかし、長いスピーチの中で日本の『に』の字も言わなかったね。私はそのこ
とを帰ってくる途中、日華懇(日華議員懇談会)代表している平沼くん、私の弟分、確
かにそうでしたな、彼、さっそく馬総統との昼食会でね、あなたは日本の『に』の字も
言わなかった、この次のスピーチでは必ず日本のことをもっと言及してくれって言った
んですよ。ところがその次の日に現地の大使、日本で言えば代表かな、彼は中国語堪能
だから聞いててね、平沼さんの肝心な質問は通訳の人が通訳しなかったって。まあしか
し、大陸とのかかわりは大陸の動向、それから主に経済ってことでウィン・ウィン、相
互に利益のある形で進めたいと繰り返し言ってたけども、中国の経済って果たしてこれ
からどうなるんですかね。そこがとっても大事な問題だと思いますが」
「そのあと、記者会見で日本の記者がなんで日本の『に』の字もいわなかったのかと
聞いたら、いや、関係している国がたくさんあるからとしか言ってなかったけども、実
質的に日本とこれからの関係は維持していきたいと言ったそうだけどね。私はその場に
いませんでしたが」
── 台湾との今後の関係は
「変わらないよ。向こうが変わらない限り、こっちは変わる必要ないからね。あくま
でも開かれた市民社会を維持してもらいたいね。第2の香港になってもらいたくないね。
そりゃね、あれだけね、小さな国であっても、どこにいってもインフラが整備されてい
て、市民の意識も高くてね、教養の水準も高くてね、ああいう国としての体をなしてい
る国って、日本のほかにいくつありますか。韓国、台湾ぐらいでしょ、アジアでは。そ
りゃとっても貴重な存在だと思いますよ。台湾のためだけでじゃなくて、アジアにとっ
ても 世界全体にとってもね、台湾が市民社会を維持していくことは絶対必要だと思い
ますよ」