産経新聞連載「李登輝秘録」最終章の第8部が本日より開始

産経新聞の河崎真澄・論説委員が昨年4月3日から連載をはじめた好評の「李登輝秘録」は、最終章となる第8部「日本よ 台湾よ」が本日(1月26日)より開始しました。

 第8部は「李登輝が総統退任後も日本に寄せ続けた熱き思いを、知られざるエピソードを交えて浮き彫りにする」そうです。

 その第1回は2001年4月、総統を退任後、初めて日本を訪問するまでの日本政府の対応ぶりなどを取り上げ、今回も知られざるエピソードがふんだんに盛り込まれていて読み応えがあります。これまでのように、連載初回だけ全文をご紹介します。

 李登輝元総統の来日にあたって日本李登輝友の会の有志は大阪の帝国ホテルに出迎えましたが、「秘録」にあるように、ビザの発給を巡ってもめました。森喜朗首相らがビザ発給を認めたにもかかわらず、河野洋平・外務大臣や槇田邦彦・アジア大洋州局長が頑強に抵抗し、特に槇田局長などは「こんなことしていたら、北京の怒りを買って、日中関係はメチャクチャになる」などと恫喝めいた発言を繰り返していたことを未だに思い出します。

 なお、4月3日掲載開始の「第1部 虚々実々の両岸関係」から「第8部 日本よ 台湾よ(1)日本政府の肝っ玉は小さい」までの71回に及ぶ連載記事は下記からご覧ください(ただし有料記事です)。

◆李登輝秘録 記事一覧 https://special.sankei.com/topics/36219.html

—————————————————————————————–「李登輝秘録」第8部 日本よ 台湾よ(1)「日本政府の肝っ玉は小さい」【産経新聞:2020年1月26日】

◆訪日の壁にいら立ち 米中緊張で動く

 2001年4月22日午後6時すぎ。李登輝は夫人の曽文恵(そう・ぶんけい)の手を握りながら関西国際空港のゲートに姿を現した。訪日は16年ぶりで、前年に台湾の総統を退任してからは、初めてだった。

 岡山県倉敷市の病院で心臓病専門医から治療を受けるためだったが、李へのビザ(査証)発給を日本政府は当初、しぶっていた。李の訪日を「政治目的だ」と抗議した中国政府への配慮が、見え隠れしていた。

 台湾と外交関係のない日本は、総統や行政院長(首相に相当)など、現職要人の訪日を原則として認めていない。退任後も訪日は事前の承認を求められた。

 「日本政府の肝っ玉はネズミより小さい。人道的な理由でも日本に行けないのはおかしい」。李は台北郊外の事務所で記者団にこう話し、曖昧な姿勢の日本政府を突き上げた。関西国際空港に降り立つ7日前、4月15日のことだった。秘書の鍾振宏(しょう・しんこう)(1929〜2019年)によれば、李にしては珍しく気色ばんでいた。

 日本の対台湾窓口機関である交流協会(現在は日本台湾交流協会)の台北事務所(大使館に相当)に鍾が書類を携え、李のビザを申請したのは4月10日。だが11日、当時の官房長官、福田康夫が外務省からの報告を基に記者会見で「(李のビザ)申請および受理の事実はない」と述べたことが、李をいらだたせた。

 さまざまな混乱の末、4月20日になって、首相の森喜朗が外相の河野洋平に李のビザ発給を指示する。

 そのとき水面下で日本側との交渉役を担った李の側近、彭栄次(ほう・えいじ)(1934年生まれ)は、「南シナ海上空で中国軍機と空中接触した米軍偵察機が、中国に緊急着陸した事件がビザ発給で最後の後押しをした」と意外なことを口にした。日本のある政府高官から、後に聞かされたのだという。

 事件は直前の4月1日に起きた。中国政府が4月11日、米軍機乗員24人について「人道主義に鑑み出国手続きを許可する」と表明したのがカギだった。

 これに日本の政官界で李訪日を支持する関係者が反応した。「中国が『人道主義』を持ち出して対米摩擦の回避を図ったことを逆手に取れば、中国も日本国内の親中派も説得できる」と考え、巻き返しに出た。

 知ってか知らずか、李の側も「人道」を強調し、世論に訴えた。偶然にもこのタイミングで起きた米中間の事件が、李訪日を実現する要因の一つになった。

◆親中派の抵抗、世論で突破

 李登輝が2001年4月に訪日を希望したのは、前年の11月に台湾で受けた心臓手術に立ち会った日本人の専門医から、半年後の検査や継続治療が必要とされていたからだ。だが、日本の医師免許のみでは、台湾で直接の医療行為はできない。李の主治医らも設備の整った倉敷の病院での治療が望ましいと判断した。

 一方、李の訪日に難色を示したのは、「チャイナスクール」と呼ばれた親中派の日本人外交官だった。

 当時、外務副大臣だった衛藤征士郎と、拓殖大客員教授の小枝義人の共著「検証 李登輝訪日 日本外交の転換点」によると、外務省アジア大洋州局長だった槙田邦彦が、交流協会の台北事務所長に対し、李からのビザ申請を「慎重に扱え」と指示したという。

 交流協会は外務省と経済産業省が共管する機関だった。現地から、「ビザ申請書類は届けられたが台北事務所長の預かりで、受理はしていない」などと苦しい説明をつけ、外務省に報告した。

 その一方、当時、台湾の駐日代表(大使に相当)だった羅福全(ら・ふくぜん)(1935年生まれ)は、「森喜朗総理と福田康夫官房長官、安倍晋三官房副長官(いずれも当時)に何度も会い、『米国大統領も退任後、半年たてば民間人扱いだ。なぜ台湾の退任総統はだめか』と説いて回った」と話した。

 福田は、李の訪日に反対はしないが急ぐべきではない、と慎重姿勢だった。

 ただ、羅と李の側近の彭栄次(ほう・えいじ)が、参議院議員だった椎名素夫(1930〜2007年)と福田を招いて会食した際、李と親しかった椎名が厳しい口調で福田を怒鳴り上げて李へのビザ発給を迫り、福田も歩み寄ったのだという。羅は会話の詳細は明かさなかった。

 中国の反発や国内の親中派の抵抗を受けながら最終的には日本政府が発給に動いた背景について、羅は、日本の大手紙が社説でそろって訪日を支持したことも挙げた。「人道問題を訴えた点が世論を動かし、総理も官房長官も味方につけた」という。

 李は「あのとき(2001年4月)の訪日が突破口になった」と話す。3年後の年末年始、2回目の訪日で李は京都に作家、司馬遼太郎(1923〜96年)の墓参りに訪れ、「念願を果たした」と話した。

 1994年に「街道をゆく 四十『台湾紀行』」を著した司馬との交友を、李はずっと大切にしていた。

 中国との関係拡大に傾きがちな日本の政治や社会に対し、李は訪日のたびに台湾の存在感を示し続けた。「台湾のトップセールスマン」の役割を自らが演じていた。


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