に勤める方から「これ面白いよ」と言って、「談話室」に掲載された2つの投稿記事を送っ
ていただいた。中国ツアーと台湾ツアーに参加した方のそれぞれの感想だ。
中国ツアーに参加した人は、現地ガイドがしつこくオプション企画への参加や物品購買
を要求してくるのに辟易し「二度と中国には行きたくない」と感想を記す。
一方、この投稿を受けた形で台湾ツアーの感想をつづった投稿では「日本と台湾の懸け
橋となって活躍する姿にうれしくなりました」と、まったく正反対の感想を述べている。
最後に「なんだか国際社会での両政府の振る舞いを反映しているような気もします」と記
していて、共感しながら読んだ人も多かったのではないだろうか。
それで思い出したのは、本会常務理事の林建良(りん・けんりょう)氏が出版した『日
本よ、こんな中国とつきあえるか?』だ。林氏は「中国人の現実的な考え方のベースにあ
るのは『価値のあるものとは、すべてお金で換算できる』という発想だ。『金がすべて』
ということである」と喝破している。この投稿を読んで、中国人は「金がすべて」という
価値観に生きているという林氏の指摘を思い出したのだ。
中国ツアーに参加した人は「金もうけのためには何でもする」中国人ガイドに、想像を
絶する拝金主義を目のあたりにして「二度と中国には行きたくない」と思い、片や台湾ツ
アーに参加した人は「台湾の現地添乗員は素晴らしい」と絶賛する。
林建良氏の指摘が、このような現地ガイドの振る舞いの違いにも明白に現れていること
を知り、改めて『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』をお勧めしたい。
◆林建良著『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』(並木書房、2006年、1680円)
http://www.namiki-shobo.co.jp/
あまりにひどい中国人ガイド(無職 吉原隆彦 71)
【産経新聞:平成24(2012)6月5日「談話室」】
5月に大手旅行会社が募った1週間の中国ツアーに参加した。しかし、現地の中国人ガイ
ドの身勝手な振る舞いにはあきれた。
空港から宿泊地に向かう車中、「ガイドと気持ちよく付き合うには、オプション企画へ
の参加が必要だ」などと、オプション企画への参加を求める話が2時間で32回もあった。悪
いガイドにあたったものだと嫌な予感がした。
その後も1週間、その調子で菓子や茶、印鑑、写真などを買えとしつこく要求する。そし
て、バスの中では一人一人の席まで来て「なんでもっと付き合えないのか」と迫る始末。
また、真珠の販売もしている「淡水真珠研究所」という施設では、皇室にゆかりがある
ような説明までして購入を勧め、聞いていて不愉快だった。
金もうけのためには何でもする中国人と、そんなガイドをつけて恥じない旅行会社。二
度と中国には行きたくない。(東京都調布市)
ガイドの違いは“お国柄”?(無職 安藤欣三 75)
【産経新聞:平成24(2012)6月8日「談話室」】
先月末から6日間、大手旅行会社の台湾ツアーに参加しました。5日付「談話室」に「あ
まりにひどい中国人ガイド」と中国ツアーのガイドの非常識ぶりを嘆く投書がありました
が、台湾の現地添乗員は素晴らしく、あまりの違いに驚いてしまいました。
私がお世話になった添乗員は、見学地の地理、文化などについて、詳しく説明してく
れ、日本の地理、歴史についても精通していました。日本については、台湾人観光客を日
本で案内するため、独学で勉強したそうです。台湾の人たちは特に歴史への関心が高く、
説明を求められるそうです。日本と台湾の懸け橋となって活躍する姿にうれしくなりまし
た。
もちろん、商品のセールスもしますが、しつこく無理強いするようなことはありませ
ん。
中国と台湾のガイドの言動の違いは、なんだか国際社会での両政府の振る舞いを反映し
ているような気もします。(大阪府交野市)