【産経新聞:平成24(2012)年2月8日】
【台北=吉村剛史】台湾の対日民間交流窓口機関である「亜東関係協会」の彭栄次会長
(77)が近く退任し、後任に中国国民党(国民党)前秘書長(党幹事長に相当)の廖了以
(りょう・りょうい)氏(64)が内定したことが7日、関係者らの話でわかった。10日の同
会理事会で正式に選出される。
廖氏は台中市の逢甲大学統計学部卒。台中県(2010年から台中市に統合)の豊原市長や、
台中県長、内政部長などを歴任した国民党の重鎮で、09年9月から今年1月31日まで国民党
秘書長を務めた。
父の廖忠雄氏は早稲田大学政治経済学部卒で元豊原市長。祖父の廖西東氏も日本統治時
代の豊原街長(町長)。また、母方の祖父で、戦前に台中庁長を務めた佐藤謙太郎氏は、
地元の代表的建築物として有名な台中公園内の湖心亭の設計者としても知られている。兄
の廖一久氏は水産養殖で国際的に有名な研究者だ。
会長職は駐日代表(駐日大使)経験者が務めるのが通例だったが、対日関係を担う人材
は年々減少している。09年に就任した彭会長に続き、日本との縁の深さが買われた抜擢
(ばつてき)人事となった。