昨日、東京都文京区内の文京区民センターにおいて、本会主催による「日台シンポ『台
湾出身者の戸籍を中国から台湾に改正しよう!!』」が開催された。シンポジウムには岩手
や広島など遠方から参加される方や台湾からの留学生なども参加、関心の深さがうかが
え、70名入る会場はほぼ満堂となった。また「日本文化チャンネル桜」や台湾紙の「自由
時報」や「台湾新聞」などのメディアも取材に訪れた。
定刻の午後2時、本会本部事務局員の佐藤和代さんの司会の下に開会され、まずこの問題
で「質問主意書」を提出した大江康弘・参議院議員からの祝辞が披露。続いて柚原正敬・
事務局長が経過報告と問題点を指摘。
その後、中津川博郷・衆議院議員、黄文雄・拓殖大学客員教授、梅原克彦・前仙台市長、
林建良・メルマガ「台湾の声」編集長、猪鼻嘉行・公認会計士、出町淑貴・青森日台交流
会事務局長、小礒明・東京都議会議員の順に、それぞれの立場からお話しいただき、杉本
拓朗・本会青年部長による決議文朗読と採択、そして黄文雄・本会副会長による閉会の挨
拶で締めくくられた。
シンポジウムの詳しい内容については、昨日のうちに「台湾新聞ブログ」と「千葉日台
と時々台湾を勉強するブログ」に掲載されている。いささか長いが、ここではそれをご紹
介したい。両ブログとも写真を取り込んでうまくまとめているので、ご参照いただきたい。
また、採択された「決議文」も紹介したい。この「決議文」は、本会が責任をもって法
務省に手交する。いずれその報告も本誌に掲載したい。
◆山川出版社の誤記問題
なお、「千葉日台と時々台湾を勉強するブログ」は最後に、山川出版社の『解説日本史
図録』が「1945年8月のところ、『第二次世界大戦終了(台湾は中国に返還)』というウソを
書いています」と指摘している。大事な指摘だ。
実は、日本史の大学受験でもっとも使用率が高い山川出版社の『詳説日本史B』という
高校教科書でも同様の記述をしていることがすでに判明している(『詳説日本史A』でも
記述)。「千葉日台」ブログが指摘するように、これは明らかな間違いだ。
答は簡単だ。日本が1945年に台湾を中国(当時の中華民国)に返還していたら、サンフ
ランシスコ平和条約でなぜ日本は台湾を放棄できたのか、である。返還してしまったもの
をどうしたら放棄できるのか──。日本はこの平和条約で台湾を放棄した。この平和条約
を結ぶまで、国際法的には台湾は日本の領土だったから放棄できたのである。つまり、台
湾を中国には返還していないということなのだ。
この山川出版社の誤記問題は、中学校の地図帳問題と一緒に取り組もうとの声もあった
が、活動が分散することを危惧して後回しにしてきたが、今後は戸籍問題とともに、山川
出版社の誤記問題にも取り組みたいと思っている。
では、昨日のシンポジウムを伝える「台湾新聞ブログ」からご紹介したい。