本会が11月30日に開催した台湾セミナーでは、講師に選挙分析では定評のある浅野和生・平成国際大学教授を迎え「台湾総統・立法委員選挙のポイントと展望」と題し、約90分にわたって詳しく解説いただいた。
浅野教授は、台湾の総統選挙には「投票2ヵ月前の支持率は投票日まで不変」という法則があるという独自の分析結果から、99%の確率で蔡英文総統は再選されると述べ、会場を驚かせた。
また、台湾の統一地方選挙と総統選挙は米国の中間選挙と大統領選挙本選の関係とよく似ていると指摘し、過去の統一地方選挙と総統選挙の関連性に言及、昨年11月の統一地方選挙で与党の民進党が大敗したことは総統選挙や立法委員選挙には影響がないことを導き出し、当選者数を下記のように予測した。
民進党は過半数の57議席に1議席及ばないが、民進党と考え方が近い政党と連立することで与党勢力を維持できるだろうと指摘した。
当選者数の幅、可能性が高い当選者数、選挙区事情等を加味した実際の当選者数 ・民 進 党:40人〜61人 → 52人 → 56人・中国国民党:41人〜62人 → 50人 → 46人・台湾民衆党:3人〜5人 → 4人・親 民 党:2人 → 2人・時 代 力量:2人 → 2人・無 党 派:3人〜4人 → 3人
自由時報紙がさらに詳しく報じているので下記に紹介するとともに、両岸政策協会が11月26日に発表した世論調査について台湾国際放送が報じているので紹介したい。
ちなみに、両岸政策協会の世論調査結果と、蘋果日報が12月2日に発表した世論調査の結果は下記のとおり。
・蔡英文・頼清徳:50.0% 韓國瑜・張善政:28.3% 宋楚瑜・余湘:7.8%
・蔡英文・頼清徳:51.0% 韓國瑜・張善政:19.0% 宋楚瑜・余湘:6.6%
◆自由時報:2020立委選戰倒數 日學者估:民進黨離過半只差1席[12月1日] https://news.ltn.com.tw/news/politics/breakingnews/2995559
—————————————————————————————–総統選支持率調査:民進党50%、国民党28.3%【台湾国際放送:2019年12月3日】
台湾海峡両岸間の交流と両岸関係の平和的な発展を促すことを目標とする台湾のシンクタンク、「両岸政策協会」が11月26日に「最近の両岸関係に関する議題と2020年次期総統選挙の投票意向」に関する調査の調査結果を発表した。調査が示すところでは、蔡英文・総統の施政に対する満足度は、これまで同協会が行った一連の調査の中で、初めて50%を上回った。次期総統選挙に立候補する与党・民進党、最大野党・国民党、野党・親民党の三組の候補者のうち、民進党の蔡英文・頼清徳コンビが50%の支持を受け、国民党の韓国瑜・張善政コンビの28.3%を上回っている。
「両岸政策協会」が先ごろ、香港の情勢、蔡英文・総統の施政に対する満足度、次期総統選の支持傾向などについて調査を行い、11月26日に調査結果を発表しました。
調査結果が示すところでは、調査を受けた人のうち、民進党の蔡・総統には台湾の主権を守る能力があると答えた人は52.1%、国民党の韓国瑜氏は21.6%、親民党の宋楚瑜氏は7.2%でした。この三組の正副総統候補のうち、民進党の支持率が50%、国民党が28.3%、親民党が7.8%です。これまで同協会が行った一連の調査の中で、蔡・総統の支持率が50%を上回ったのは初めてです。民進党の公認候補の支持率が50%を上回ったのも初めてです。
しかし、この調査では香港の区議選の選挙結果や王立強氏の中国スパイ容疑について聞きませんでした。調査結果の発表記者会見に出席した、台湾国際法学会の林廷輝・副秘書長は、「民進党の公認候補の蔡英文・総統と国民党の公認候補の韓国瑜・高雄市長の支持率の差は、20ポイントに達している。もう政治的な手段によって選挙を操作する必要がなくなっている。向こう一ヶ月、外部の力が選挙に介入することが発生する可能性が極めて低い」との見方を示しました。
この調査では、比例代表に対する支持も聞かれました。その結果、民進党の支持率が最も高く34.7%で、国民党が25.9%、台湾民衆党が6%、親民党が4.2%でした。林廷輝・副秘書長は、2016年に比べて親民党の支持率が半減したため、親民党が国会での議席を伸ばすのが困難だとの見方も示しました。
(編集:王淑卿)