欧鴻錬・外交部長(外相)は7月24日、米国の『ワシントンタイムズ』紙に「台湾の
政治課題:実務的なグローバル戦略」と題する外交の新政策を発表した。
欧部長は同紙において「7月4日に両岸は60年ぶりに定期的な週末チャーター直行便が
運行された。このチャーター便の運行は、台湾にとり重要な象徴および実際的な意義が
あった。まず第一に、これは馬英九総統が指揮する新政府において、主体的にとった新
政策が初歩の成果を収めたことを象徴するものであった。馬総統は就任後わずか2カ月
で両岸の垣根を取り払い、台湾と隣国および国際社会との関係のため、さらには米国と
の戦略的パートナーシップのために新たなる方向をスタートとさせたのだった」と評価
した。
その上で「台湾がグローバル化および政治、経済、安全の多元的な挑戦に直面するに
あたり、この新しい方向付けは必要なものである。馬総統の外交政策の重点の一つは、
両岸に『両岸および国際舞台における和解、争議の棚上げ』を呼びかけることであり、
総統就任演説で示した尊厳、自主、実務的、弾力性の4原則はこの目標達成を後押しす
るものとなる。この4原則は友好国との二国間および多国間関係の促進、国際組織への
加盟に運用されることになる。我々は現在の友好国との協力を強化し、その経済発展へ
の協力および国民の生活の福祉により多くの資源を投入していく。これは新しい友好国
を作るより優先的に考慮するものである」と説明した。
さらに「台湾の新しい国際的な政治課題は、米国、日本、欧州連合(EU)およびそ
の他の民主主義国家との確固たるパートナーシップ強化を含めたものである。我々は衝
突的ではない建設的なものを追求するのであり、これにより台湾が友好国と共通の利益
および関心を寄せる議題の上でより多く協力していくことになるのである。急速なグロ
ーバル化のプロセスの中で、我々が共に期待し希望する永続的な安全および繁栄は、双
方におけるより一層の協力を増進でき、これは普遍的な民主主義の価値追求にも役立つ
ものである」と強調した。
続いて「このような『建設的な実務主義』が、我々の国際組織に参加する態度にもな
るのである。台湾はこれまで多国的な組織において意義ある役割を担い、参加、利益獲
得できるようにも希望してきた。しかし、より重要なのはこれらの組織に対し、人類の
福祉における全幅の精神の結集を促進できることであり、台湾の心血も貢献できること
である。残念ながらわが国は、常に国名および礼遇の問題により外交上で硬直化し、あ
るいはわが国の国民の利益を代表できず貢献の機会を剥奪されている」と現状を訴えた。
欧外交部長は「より弾力性のある名称を使用した政策が上述の状況を克服するのに効
果的となる。わが国は国際組織への意義ある参加を追求すると同時に、国家としての尊
厳も確保していくものである。数年前に台湾は世界的な新型肺炎(SARS)対処の重
要な一角を担った。わが国とその他の国々は世界保健機関(WHO)の協力において、
同組織が全人類の健康に対して行なうさまざまな措置や活動を強化させたのだった。さ
らには台湾のあふれる活力は、国際通貨基金(IMF)、世界銀行といった国際的な組
織を通して発展途上国に協力するともに地域の貿易組織を強化する役割を担うこともで
き、地域および世界の成長に役立つカンフル剤にもなれるのである」とその意義を明記
した。
さらに「わが国は先ごろ、中国大陸と週末チャーター便の運行協議を達成させたが、
これは双方が各階層における相互利益追求の意義をまさに反映させたものである。台湾
は積極的にチャンスを把握し、両岸が平和的に和解会談を行うことをすでに呼びかけて
いる。大陸の政府側が新しい方法をとり、双方が両岸関係の促進を模索すると同時に、
台湾の国際社会における活動空間を考慮に入れるよう希望している。もし、台湾の意義
ある国際社会への参加についてコンセンサスの一致を見ることができれば、両岸関係改
善の自信を大幅に引き上げることにもなるであろう」と主張した。