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*関係写真を掲載しています。
李登輝総統は9月16日午後、台湾大学で開かれた中国語版『新・台湾の主張』新刊発表会に出席
した。
会場となった学生活動センターの入口付近には、李登輝総統の「日本時代、私たち兄弟は祖国日
本のために戦った」、「尖閣諸島は日本の領土」などの発言に不満を持つ中華愛国同心会や東海保
釣聯盟による抗議活動が行われた。
本年7月に訪日した際の「尖閣諸島は日本の領土。台湾のものではない」との発言、PHP
『Voice』9月号誌上での「日本祖国論」など、李登輝総統の言動に注目が集まっている時期の新刊
発表会出席ということもあり、警察は人員を増強して警備にあたった。
講演前、メディアに囲まれた李登輝総統は、先日、学生団体を前にした講演で「日本時代、私も
実際のところ、日本の奴隷だった」と発言したことについて問われ、次のように答えた。
「台湾は400年来、6つの異なる外来政権の統治を受けてきた。日本統治時代、私も日本の教育を受
けたことで良いこともたくさんあった。
ただ、台湾人は自分たちの手で台湾を治めることが出来なかった。そういう意味で日本の奴隷
だったのは事実だ。私の発言は変わってなどいない。私のことを日本人だなどと批判している者も
いるが、私はれっきとした台湾人だ。」
満席となった新刊発表会では、許世楷元駐日大使、沼田幹夫日本交流協会台北事務所代表らが祝
辞を述べた後、李登輝総統が講演。
講演のなかで李登輝総統は、台湾はアイデンティティの問題を解決しなければ未来がない、とし
て「新しい時代の台湾人」を提唱。そして、台湾人の共同体意識は、民族主義ではなく民主主義を
基礎としなければならないなどと主張した。