李登輝氏の遺骨、玉山にまかれず 遺族「脱古改新の理念を徹底」

 故李登輝元総統の実質的な国葬となる追悼告別ミサは、9月19日午前9時30分より新北市淡水の真理大学大礼拝堂で行うこととなり、現在、ご自宅に安置されているご遺骨は10月7日に新北市汐止にある 「五指山軍人公墓」とも呼ばれる「国軍示範公墓」 の特勲区に埋葬されます。

 本誌8月16号で納棺と火葬の礼拝が行われたことをお伝えした際、「李登輝元総統は生前、遺骨は玉山に撒いて欲しいという希望を述べていました。果たしてこの遺言ともいうべき願いは聞き入れられるのだろうか」と書きましたが、李元総統の願いは聞き入れられなかったようです。残念です。

—————————————————————————————–李登輝氏の遺骨、玉山にまかれず 遺族「脱古改新の理念を徹底」【中央通信社:2020年8月21日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202008210003.aspx

 (台北中央社)先月末に死去した李登輝(りとうき)元総統は10月7日に北部・新北市汐止の五指山軍人墓地特勲区に埋葬される。李氏が生前、台湾最高峰、玉山への散骨を望む考えを表明していたことについて、総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は19日、李氏の次女の李安[女尼](りあんじ)さんの話として、国家体制と遺族感情の間で最良の折り合いをつけ、バランスを取ることで、李氏が語っていた「脱古改新」「誠実、自然」の理念をより一層徹底できるとする遺族の考えを説明した。

 張報道官によれば、安[女尼]さんは、李氏に願いがあるとすればそれは台湾の民主主義をさらに深化させ、台湾の人々がより団結することだと言及。李氏が生前、玉山への散骨を希望していたのは、台湾の土地と永遠に共にありたいとの願いがあったからだと説明したという。

 脱古改新とは、李氏が台湾の改革の方針として提唱していた概念。2015年に日本の国会議員会館で講演を行った際、脱古改新について、「『古』を脱し、新しく改める」ことだと説明。「託古改制」(古に託して制度を改める)から脱却し、「一つの中国」、「中国式法統」による束縛から逃れて台湾を主体性ある民主国家にすることが目的だと述べていた。

(温貴香、陳俊華/編集:名切千絵)

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