李登輝学校台湾研修団に参加した関田さんの感想

もっと台湾を応援すべきではないか、それが日本の義務ではないか

 本誌11月13日の第98号と14日の99号にて、李登輝学校台湾研修団に参加された
方々から寄せられた感想をご紹介しました。本当に充実した研修でした。
 参加者の関田歡一さんは、ご自分のホームページでも今回の研修について写真
などと一緒に報告されています。すでに帰国した翌日の11月4日、本会に「KANCHA
N涙ぐむ」と題した感想を寄せていただいていましたのでご紹介いたします。
 本会の機関誌『日台共栄』12月号(第4号)でも、片木事務局次長があの独特
の片木節で4ページにわたってレポートし、また表紙3(裏表紙の手前)の「日
台共栄写真館」でも紹介しています。会員の方には12月5日ころに届く予定です。
                               (編集部)

関田歡一さんのホームページ http://members.jcom.home.ne.jp/ksekita36/ 


 KANCHAN涙ぐむ

 10月30日から11月3日まで台湾に行っていました。東京に日本李登輝友の会とい
うのがあって、私はそこのホームページをずっとフォローして来きたのですが、こ
の度「李登輝学校台湾研修団」と称して台北で研修会をやることを知ったので、そ
れに応募したのです。団長は学習院女子大久保田教授という方で、参加者総勢64
名、老若男女さまざまな職業の人たちです。
 1日だけ、総統府や228記念館の見学に出かけたのですが、あとは研修センター
にこもって、現政権を支える実力者VIP、憲法学者、文学者等から台湾問題のレク
チャーを受け、質疑応答の時間を持つなど、中身の濃い5日間でありました。
 李登輝前総統が出席されて、自ら講義を担当されました。勿論日本語です。お
年は83歳ながら熱のこもった一時間半の講義は、台湾問題については勿論、政治
家のあり方や人間の生き方について教えられることが多くありました。
 最終日に卒業式があったのですが、これには多くの現地マスコミが取材に来て
いました。その場で私たちは全員立ち上がって「仰げば尊し」を歌いました。私
は歌いながら涙が出て止まらなくなりました。壇上に李登輝前総統、周りに台湾
のスタッフ、後ろにマスコミのカメラ、つまり外国人に囲まれて、私たちは日本
人ということをいやでも意識させられました。そして日本人いかにあるべきかと
考えさせられました。
 台湾の人たちが、「われわれは台湾人として独立したい、日本人助けてくださ
い」と言っています。日本は、民主主義・国家自立という人類の普遍的価値観か
らばかりでなく、台湾とのこれまでの歴史的かかわりからも、もっと台湾に目を
向け、進んで応援すべきではないか、いや、それが日本の義務ではないかと思い
ました。そうしてこそ、われわれは胸をはって日本人としての誇りを持つことが
出来、それが日本が国際社会から、尊敬される国として認められるキーポイント
ではないかと思ったのです。
 台湾とのかかわりというのは、李登輝氏をはじめ前駐日代表の羅福全氏等台湾
を支える人たちが、皆日本語を話しているということが象徴していると思います。
 日本は台湾を植民地として経営し、台湾の本土化と近代化に力を注いで来まし
た。勿論宗主国として非難すべき点は多々ありましたが、台湾の歴史に大きく影
響を与えて来たことは否定できません。それが敗戦で中断し、台湾は蒋介石の中
華民国体制に組み入れられました。そして今台湾は、一党独裁体制の中国の理不
尽な干渉に遭って、自由主義経済の利益を十分に享受できない状況におかれてい
ます。
 先日は、米国パウエル国務長官からは「台湾は主権国家ではない」と言われて
しまいました。台湾の心ある人たちは大変なフラストレーションの状況に置かれ
ています。台湾は主権国家として、国際連合に加盟することについて各国に支援
を呼びかけていますが、日本は中国に気兼ねをして、自主性を発揮できないで金
縛りの状態になっています。
 この問題、ここでは論じ切れません。ただ、李登輝学校卒業式で、私はじめ何
人もが涙を禁じえなかったということだけお話しておきます。(16.11.4)



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