李登輝前総統揮毫の石碑「真實自然」が大分県大山町に建立

李登輝精神と烏来郷との深い友情を伝えるため福岡李登輝友の会が仲介

 去る4月9日、大分県日田市大山町にある「ひびきの郷」に、李登輝前総統の揮毫による
「真實自然」の石碑が建立され除幕式が行われました。また同時に、この石碑の傍らには
1本の桜の木も植えられました。石碑と桜は、李登輝精神を伝え、日台友好親善の深化と
発展を願って建立・植樹されたそうです。
 これまで日本で李登輝前総統の石碑が建立されたことは寡聞にして知りませんので、恐
らくこの大山町が初めてではないかと思われます。
 この石碑建立と桜植樹には、久留米大学教授で本会理事の大矢野栄次氏が支部長をつと
める日本李登輝友の会福岡県支部(略称:福岡李登輝友の会)と福岡の台湾研究会が深く
関わっています。台湾との仲介役をつとめた福岡李登輝友の会の永嶋直之事務局長より、
下記のレポートをいただきましたので、ここにご紹介します。
 また、台湾最大手の日刊新聞「自由時報」紙も記事を書きましたので、併せてご紹介し
ます。

 李登輝前総統の座右の銘は「真實自然」と「誠實自然」、色紙を求められるとほとんど
この言葉を書かれています。2001年(平成13年)4月に心臓病の治療で来日された折、大阪
の帝国ホテルに残された色紙もこの「真實自然」でした。また、去る4月7日、烏山頭ダム
建設に尽力した八田與一技師の母校である金沢市花園小学校に贈られた色紙は「誠實自然」
でした。
 真実を求める誠実な姿勢が「日本人の心」であり、言を成すこと、すなわち「誠」であ
り、これが日本人の武士道精神だと訴え、日本人を励ましてこられたのが李登輝前総統で
す。まさに「真實自然」「誠實自然」こそ、李登輝精神の真髄です。

 今般の大分県大山町の石碑建立をきっかけに、日本各地にこのような石碑が建立される
ことを期待したいものです。日本李登輝友の会としても、このような石碑建立の企画があ
りましたら、李登輝前総統へのご仲介など、いくらでもご協力させていただきます。
                  (メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬)


李登輝前総統の「真實自然」石碑が大山町に建立

                       福岡李登輝友の会事務局長 永嶋直之

 李登輝前総統の石碑が日本国九州大分県日田市大山町に、日台友好の祈念碑として建立
された。桜満開の4月9日、関係者により盛大に除幕式がおこなわれた。

 花曇りながら穏やかな山里の春の9日、日本国九州大分県日田市大山町ひびきの郷で、李
登輝前総統の揮毫『真実自然』を刻み込んだ大理石の石碑が完成し、その除幕式が、周碩
頴駐福岡総領事、大矢野栄次福岡李登輝友の会会長、永嶋直之台湾研究会事務局長など関
係者列席の下、三笘善八郎前大山町長ほか百人余の町民が参加して盛大に挙行された。

 旧大山町(現日田市大山町)は2004年11月24日、隣県の福岡市に所在する福岡李登輝友
の会及び台湾研究会の仲介により、台北縣烏来郷との間で友好交流宣言書を交換調印し、
友好交流町となった。李登輝前総統を尊敬する三笘善八郎前大山町長は、福岡李登輝友の
会を通じて、この歴史的な慶事を記念するため李前総統に揮毫を依頼、後日程なくして『
真実自然』の揮毫が贈られてきた。

 三笘前町長は、日台友好親善の深化と発展を願って、同氏が設立運営するリゾート施設
「ひびきの郷」構内に祈念碑を建立することを思い立ち、町内外より数百人の賛同者の浄
財を得て、白大理石の石碑(縦140センチ、幅60センチ、厚さ20センチ)を完成させた。
この石碑表面は五層重ねになっているが、『真実自然』の意味するところが静かな波紋と
なって、ここ大山から世界五大陸に波及して行くことを願った、と製作者「大山石彫工房」
の社長は語った。祈念碑の脇には李前総統の武士道精神を称揚して『桜樹』も植栽されて
いる。

 この日、幕引きの大役を担ったのは、台北から招かれて来町した、『日本人はとても素
敵だった』を出版して日本にも多くのファンを持つ女流作家、楊素秋さん。大山ジュニア
マーチングバンド(町内の小学生で構成、九州大会などで金賞を得ている)の子供たちが
ファンファーレを演奏する中、幕が引かれて墨痕鮮やかな石碑が現れると、期せずして百
余人の参加者から歓声と大きな拍手が沸き起こった。参加者の一人は『一国の大統領であ
った方が、こんな小さな町のために立派な揮毫を贈ってくださるとは、驚きと感激です』
と、興奮の面持ちで語った。

 この祈念碑と桜樹は、年間50万人超の『ひびきの郷』来訪者を出迎える入口広場に位置
しており、多くの人々に、末永く、李登輝閣下の精神と、烏来郷との強くて深い友情を伝
えることになるが、大山町では多くの台湾からの観光客も、ここ大分県日田市大山町ひび
きの郷を訪ねてくれることを期待している。


李登輝題字 立碑日九州
【4月10日付 自由時報】

〔駐日特派員張茂森/大分縣日田市十日報導〕前台灣總統李登輝贈送給日本民間團體的題
字「真實自然」,經製作成大理石碑豎立在九州大分縣日田市大山町的「回響公園」,當地
人士於九日為這座象徵台日友好的「祈念碑」舉行揭碑儀式。
大山町町長三笘善八郎曾率團於二〇〇四年十一月訪台,並與烏來鄉交換「友好交流宣言書」
,李前總統則題字「真實自然」回贈日方。
大山町將題字帶回日本後,製作成高一百四十公分、!)六十公分、厚二十公分的大理石碑,
石碑左方也新植一棵以李登輝為名的「李登輝櫻」,象徵台日友好永續不斷,供當地居民與每
年五十萬前來「回響公園」的觀光客進一步認識台日友好的重要性。
台灣駐福岡代表處處長周碩穎、大山町町長三笘善八郎、福岡李友會會長大矢野榮次與台灣
研究會事務局長永嶋直之等一百多人,九日都出席揭碑儀式。
一位當地居民興奮地表示,當過一國總統的大人物肯對我們這個小地方題字,「對我們這個
小地方來說是一件大事」,他對李登輝前總統表示感謝與敬佩。

李前總統的「真實自然」題字紀念石碑豎立在日本九州日田市大山町的「回響公園」,左邊
新植一棵以李登輝為名的「李登輝櫻」,象徵台日友好的永續不斷。(駐日特派員張茂森攝)