来日中の李登輝前総統が曾文恵夫人や孫娘の李坤儀さん、黄昭堂・台湾独立建国聯盟
主席らを伴って靖国神社に参拝されたのは6月7日だった。その折、おしどり作家として
知られる三浦朱門氏と曾野綾子さんが同行した。
この同行の詳細について、曾野綾子さんが「夜明けの新聞の匂い」を長期連載してい
る月刊誌「新潮45」8月号(7月18日発売)に「李登輝氏の靖国参拝」と題して執筆して
いる。
同行参拝は、曾野さんが「もし李登輝氏が靖国に参拝されるなら、お供をしたい」と
連絡して実現したことや、李前総統の参拝の様子など、同行者でなければ書けないこと
を流麗な筆致で書いている。
曾野さんが同行を申し入れるには、やはり理由があった。その詳細も書かれている。
また「信仰と靖国参拝とは全く矛盾しない」として、新約聖書の記述をたくさん引用し
て紹介している。李前総統を非難する中国については、「兄である人の死を悼む人の心
を踏みにじる。中国とはそういう国なのだ」と辛辣に批判もしている。
まだ書店で取り扱っているので、ぜひご一読を。
なお、7月10日発行の本誌第563号で、靖国神社の社報「やすくに」7月号が李登輝前総
統の参拝を報道したことをお伝えしたが、ご参考まで下記に再掲したい。 (編集部)
李登輝台湾前総統が参拝
【靖国神社社報「やすくに」7月号】
五月三十日に来日した台湾・前総統李登輝氏が、六月七日午前十時過ぎ、同夫人や三
浦朱門・曽野綾子夫妻等と共に来社した。
一行は靖國神社に午前十時に到着。同氏は到着殿玄関より参入し、「菊花の間」で記
帳を済ませた。次いで南部宮司と暫し歓談の後、神職の先導でまず手水をとり、北側廻
廊祓所で祓いを受けた後、本殿に進み参拝した。
当神社には同氏の実兄が祀られており、参拝後、同氏は六十二年の歳月を経てようや
く会うことが出来たと目を潤ませていた。
その後、一行は再び控室で懇談してから十時四十分頃に神社を後にした。
当日、境内には早朝から報道関係者や同氏の支持者等が詰め掛け、一行が昇殿した際
には拝殿前で大きな歓声も沸き起こっていた。