李登輝元総統の記念館のつくる構想が10年ほど前からあり、当初は李登輝基金会から近い新北市の淡水につくる予定だった。
しかし、李登輝基金会の王燕軍・秘書長を中心に進めていたこの計画は新北市との交渉がうまくゆかず頓挫した。
その後、2020年7月30日に李元総統が亡くなられ、王燕軍・秘書長は半年も経たずに李登輝基金会から去り、李登輝元総統の次女の李安[女尼]さんが李登輝基金会の董事長を受け継いだ。
李董事長からは、昨年12月の本会の「日台共栄の夕べ」に「現在、国立台湾大学生農学院(生物農業学部)と李登輝総統記念図書館の設立に向けて交渉中」というメッセージをいただいていた。
しかし、このほど李元総統の4回目のご命日を前に、李董事長は7月27日に國史館で行われたシンポジウムに出席し、「李元総統の故郷に近い北部・新北市淡水に記念館を建設する予定」と発表したそうだ。
記念館建設は大ごとだ。
何とか日本からも支援の道がないか、李登輝基金会の意向を確認して本会でも検討してみるつもりだ。
李登輝元総統の資料集めた記念館 故郷に近い新北市淡水に建設へ【中央通信社:2024年7月28日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202407270006
(台北中央社)李登輝(りとうき)元総統の次女で李登輝基金会の李安[女尼](りあんじ)董事長(会長)は27日、台北市の国史館で行われたシンポジウムに出席し、李元総統の故郷に近い北部・新北市淡水に記念館を建設する予定だと明らかにした。
写真や手紙などを一般に公開するとしている。
李元総統の記念施設を巡っては、台湾大学(台北市)内に図書館を設置する計画が進んでいた。
安[女尼]董事長は、蒋介石(しょうかいせき)元総統を記念する中正記念堂(同市)のように拝んでもらう場所ではなく、館内に展示スペースを設けると語った。
また李元総統を記念したコンサートを9月に開催する予定だとした。
「虎の口の難題 李登輝の選択」と題されたシンポジウムは28日まで行われる。
国史館の陳儀深館長は、1987年の戒厳令解除後、中国の台頭に直面する中、勇敢で聡明な李元総統のようなリーダーが台湾を率いて数々の危機や挑戦を乗り越えてきたと強調。
李元総統に関する多くの重要な資料が整理、公開されているとし、台湾の辛く厳しい境遇やリーダーが正しい決断を下すのは簡単ではないことを理解するのに資すると語った。
(温貴香/編集:齊藤啓介)。
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