おいて募金晩餐会を開催した。
午後6時から受付開始だったが、台湾各地から参加者が詰めかけ、6時半には約70卓のテーブルは
満席。李元総統と曾文惠夫人が座るメインテーブルには、蘇嘉全・立法院長や民進党の柯建銘・立
法委員、時代力量主席の黄國昌・立法委員、李応元・環境保護署署長(環境省大臣に相当)、黄天
麟・台日文化経済協会会長など、約20人の台湾政財界要人が座った。
6時半に開会が宣せられるや、李元総統が台湾の民主化に邁進してきたこれまでの軌跡を12枚の
DVDに収めた「哲人李登輝・補鼎續火」のダイジェスト版が大スクリーンに映し出された。この
DVDは5年の歳月を費やし、当時を知る関係者や研究者約200人へのインタビューもふんだんに交
えたもので、李登輝基金会がオフィシャルに製作している。李登輝基金会からは本会を窓口として
日本でも販売できるよう要請が来ている。
続いて、李元総統が登壇、台湾の主体性を確立するためには「脱古改新」という国家正常化が必
要との持論を展開、中国についても「台湾の景気が良くとも悪くとも、中国に頼る必要はない」な
どと大音声で熱弁をふるわれた。15分弱の短いスピーチだったが、会場は寂として声なし、皆さん
聴き入っていた。
ちなみに、李元総統の唱導する「脱古改新」とは、古を脱して新しく改めるということで、その
目的は「託古改制」の害毒であるアジア的価値を捨て去ることにあり、「ひとつの中国」や「中国
式法統」による束縛から逃れ、台湾を主体性ある民主国家にすることにある。
このスピーチが終わり、自ら乾杯の発声をされたのだが、驚いたことにグラス六分目ほど入った
赤ワインを一気飲み。これには会場から盛大な拍手。
しかし、李登輝基金会の王燕軍・秘書長によれば、この日は午後からあまり体調が優れなかった
そうで、その上、晩餐会ではサインや記念撮影をしきりに求められ、ほとんど食事がままならな
かった。それが原因で血糖値が下がったようで、めまいを訴えたため早めに退席されて掛かりつけ
の台北栄民総医院へ。
幸いなことに、検査入院では何の異常も見つからず、25日午後に退院されたと中央通信社が伝え
ている。下記に紹介したい。
李登輝元総統が退院/台湾
【中央通信社:2016年9月25日】
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201609250006.aspx
(台北 25日 中央社)台北栄民総医院は25日、24日夜から検査入院していた李登輝元総統(93)
が、午後3時に退院したと発表した。
李氏の事務所関係者によると、李氏は24日午後から体調不良を訴えていたが、夜に行われた晩餐
会に出席。その後めまいを起こし、大事を取り検査入院していた。
健康管理センターの陳雲亮主任は、李氏の容態について「安定している」と強調。ただ、高齢の
ため、負担になるようなことは控え、血圧が低くならないよう注意してほしいと言付けたとしてい
る。
(張茗喧/編集:齊藤啓介)