李登輝元総統が月刊「Voice」10月号(9月10日発売)に「台湾と日本の未来」と題して寄稿され
ている。編集部が「来日記念特別論考」と銘打っているように、来る9月19日から総統退任後6度目
の来日を予定されている。
ている。編集部が「来日記念特別論考」と銘打っているように、来る9月19日から総統退任後6度目
の来日を予定されている。
本稿では、「太陽花学運(ひまわり学生運動)」や11月29日に投開票が行われる統一地方選挙、
安倍政権が閣議決定でその行使を容認した集団的自衛権など、日台間に横たわるさまざまな問題に
ついて、米国や中国との関連も視野に縦横に論じられている。まさに「李登輝節」が炸裂している
という印象だ。
曰く、2016年に実施の総統選挙については「台湾の未来のためには政権交代がなされ、台湾本土
派の候補者が勝つことが望ましい」と明言。
曰く、集団的自衛権については「東アジアの安定にとって、日米同盟は引き続き重要であり、日
本の集団的自衛権の行使容認は、両国の関係をいっそう緊密化させていくだろう」と安倍政権を支
持。
返す刀で、日中共同声明について「『台湾は中国の一部』とする中国の主張を『理解し、尊重す
る』という日本政府の立場は真実と誠実とは程遠い、といわざるをえない」として、法律面の再整
備を行って台湾を諸外国と同様に扱うべきではないかと迫る。
72年体制も克服すべき戦後レジームの一つであるからには、安倍総理も首肯せざるを得まい。そ
の上で、李元総統は安倍政権に憲法改正を提言している。
まさに「来日記念特別論考」にふさわしい内容となっている。大阪と東京では「これからの世界
と日本」と題して講演される。それを理解するためにも必読の論考だ。
◆月刊「Voice」10月号(定価:700円)*まだ10月号に更新されていません。
http://www.php.co.jp/magazine/voice/