─中国の脅威に立ち向かう平成の坂本龍馬よ、出でよ」と題して寄稿されていることを紹介した。
その一部を「NEWSポストセブン」が紹介しているので紹介したが、それに続く寄稿の後半をまた
「NEWSポストセブン」が紹介している。
李元総統は「憲法を改正して自衛隊を軍隊に昇格させるべきで、自らの力で沖縄を守れる国に生
まれ変わらなければならない」と提言されている。心ある日本人にはストンと落ちてくる提言とし
て受け止められるのではないだろうか。
それにしても、寄稿の最後に今後の決意とも言うべき考えを短く吐露されているが、その意味す
るところはとてつもなく壮大な構想だ。
◆ 李登輝元総統が月刊「SAPIO」2月号に日本へのメッセージを寄稿[メルマガ1/7] http://melma.com/backnumber_100557_6148158/
◆ 月刊「SAPIO」2月号
http://www.shogakukan.co.jp/magazines/detail/_sbook_1409702115
李登輝氏 日本は自衛隊を軍隊化し沖縄を自らの手で守るべき
【NEWSポストセブン:2015年1月9日】
台湾では学生などが中国に飲み込まれる危機を身近に感じている。2014年3月には、馬英九総統
が推進していた中台サービス貿易協定に反対し、学生たちが立法院を占拠し、総統府を50万人で取
り囲んだ。この「ひまわり学生運動」は11月の統一地方選に大きな影響を与え、与党が惨敗した。
だが、同じように中国の脅威にさらされているはずの日本では危機感の高まりはそれほどでもな
い。いま、日本は何をすべきなのか、元台湾総統の李登輝氏が提言する。
* * *
台湾では中国の圧力のなかで、若者たちが立ち上がろうとしているが、翻って、日本はどうなの
か。中国の脅威が日増しに高まっているのは日本も同じである。
2014年12月には、中国空軍の爆撃機が沖縄本島と宮古島間の空域を飛行し、自衛隊機がスクラン
ブルをかける事件が起きた。今後もこうした軍事的な挑発が続くと見て間違いないが、中国の狙い
は尖閣諸島だけではなく、その先にある沖縄と見るべきである。
現実に中国は、ベトナムが領有していたパラセル諸島とスプラトリー諸島を軍事侵攻によって手
に入れ、1995年にはフィリピンの領土だった南シナ海の南沙諸島に侵攻し、油田の開発に着手して
いる。領土拡張や資源奪取のためには武力行使を厭わない国である。 沖縄に中国軍が侵攻すれば
アメリカが黙っていないという反論が聞こえてくるが、10年先、20年先にアメリカに戦争をする力
が残っていなかったらどうだろう。
アメリカの莫大な財政赤字の問題は決して好転したわけではなく、日本と中国に対してはそれぞ
れ1兆ドルの借金(米国債)を抱えている。今まで保有していた8000トンの金もすでに売り払って
金庫はカラである。G20の会議でも、アメリカの発言力は低下し、BRICSなど新興国は従わなくなっ
ている。
安倍政権の集団的自衛権行使の閣議決定を一番喜んだのは、他ならぬアメリカである。日本はこ
れまでアメリカに頼ることばかり考えてきたが、これからは逆にアメリカが日本に頼らざるを得な
くなっているのが実情である。
しかし、そもそも自国の領土を自国で守るというのは、独立国にとっては当たり前のことで、他
国に守ってもらおうと考えるほうがおかしい。日本が自力で領土を守れるようになるには、憲法を
改正して自衛隊を軍隊に昇格させるべきで、自らの力で沖縄を守れる国に生まれ変わらなければな
らない。
日本も明治維新と同じような状況にあり、まず日本の若者たちが立ち上がるべきだ。 かくいう
私も92歳になるが、馬英九総統に辞任を要求することで、新たに動き始めたばかりである。残りの
人生は、台湾のために「第二次民主改革」を推進することで捧げるつもりだ。