文・文部科学大臣(当時)との対談「一国の未来は将の覚悟にあり」が掲載された。
月刊「致知」は書店販売ではなく定期購読制をとっているため、一般の目には触れにくいもの
の、愛読者が数万人もいるという「いつの時代も変わらない、人間の生き方の原理原則を満載して
読者の皆様の元にお届けする定期購読の月刊誌」だ。
この対談は、来日された折の7月22日、衆議院第一議員会館における講演を終えた直後に行われ
たことで、この講演の模様から始まる。
本誌でも何度かお伝えしたが、この講演会には現役の国会議員が292人も参加したことについ
て、下村大臣はまだその余韻が残っていることを感じさせながら「空前絶後」と表現した。
この講演会は、下村大臣も発起人の一人である「李登輝先生の講演を実現する国会議員の会」が
主催したが、ダライ・ラマ法王の120人をはるかにしのぐ国会議員が集まったことに心底驚いたよ
うだ。
対談では、台湾と韓国の日本に対する見方が違う理由や、李元総統が蒋経国によって副総統に取
り立てられた経緯、12年間の総統時代にもっとも苦労されたこと、先に紹介した月刊「WiLL」
12月号の櫻井よしこ氏との対談でも触れていたアベノミクスの成長戦略としてイノベーション「I
OT(Internet of Things)」の分野で日台の協力提携、いかにして安全な原発を造るかなど多方
面に及んだ。
ほとんど下村大臣が聞き手に回り、李元総統が一方的に話すという、対談というよりも下村大臣
による李元総統へのインタビューといった趣で、下村大臣の台湾観や日台関係への見方がもっと示
されていればと物足りなく思うものの、李元総統の考えを分かりやすく引き出している点で読み応
えがある。
◆月刊「致知」11月号
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